天皇、皇后両陛下と愛子さま、盆栽ご覧に 紀子さま、書家の活躍喜ばれる (2024年2月23日『産経新聞』)

■皇室ウイークリー(834)

「第98回国風盆栽展」を鑑賞される天皇、皇后両陛下と長女の敬宮愛子さま=16日午後、東京都台東区東京都美術館

天皇、皇后両陛下と長女の敬宮(としのみや)愛子さまは16日、東京都台東区東京都美術館を訪れ、「第98回国風盆栽展」を鑑賞された。

展覧会は、昭和9年から続く国内最古の公募の盆栽展で、皇居内の盆栽を手がける宮内庁庭園課も毎回、特別出展。両陛下は皇太子同妃時代にも同展にたびたび足を運ばれていたが、お三方では初めて。

側近によると、天皇陛下は盆栽に深い関心をお持ちという。「友」をお題とした昨年の歌会始では、友人からつけられたあだ名について詠んだ入選者と懇談した際、ご自身が中学時代、盆栽が趣味だったことから「じい」というあだ名で呼ばれていたことを明かされている。

会場には、梅や松などさまざまな種類の盆栽が並び、陛下は、「国風賞」に選ばれた推定樹齢400年の「真柏(しんぱく)」という種類の盆栽を前に、説明役の担当者に「審査のポイントは」などとご質問。皇后さまと愛子さまも近づいて枝ぶりなどを確かめ、手入れの方法などについて質問を重ねられていた。

担当者によると、ご一家は世代を超えて受け継がれ、小さな鉢の中で命をつなぐ植物の力強さに感銘を受けられている様子だったという。

「第98回国風盆栽展」を見学される天皇、皇后両陛下と長女の敬宮愛子さま=16日午後7時3分、東京都台東区東京都美術館

陛下は17日、皇居・宮中三殿で、この一年の五穀豊穣(ごこくほうじょう)を祈る宮中祭祀(さいし)である「祈年祭」に臨まれた。秋篠宮さまも拝礼された。

宮内庁は16日、秋篠宮ご夫妻と次女の佳子さまが、石川県伝統産業振興協議会の岡能久会長と面会し、能登半島地震の影響について話を聞かれたと明らかにした。

側近によると、お三方は以前から岡氏と面識があったといい、15日、岡氏が都内を訪れた際にお住まいに招かれた。伝統工芸品の産地の被災状況や、ものづくりに及ぼす影響などについて聞き、被害の状況を案じられていたという。

秋篠宮紀子さまは16日、東京都中央区日本橋高島屋を訪れ、「第55回現代女流書100人展」を鑑賞された。

同展では女性書家100人と、同展の顧問5人の最新作を展示。漢字、かな、近代詩文書など7部門の多彩な書が並んだ会場で、紀子さまは作品に近づいてじっくりとご覧になっていた。

「第55回現代女流書100人展」の会場に到着された秋篠宮紀子さま=16日午前9時33分、東京都中央区
「第55回現代女流書100人展」で説明を受けながら作品を鑑賞される秋篠宮紀子さま=16日午前9時54分、東京都中央区

説明役の担当者によると、紀子さまは「夢」という題の作品について「墨の色がきれいですね」と感想をお伝えに。皇居で行われる来年の歌会始のお題が「夢」であることや、和歌を披露する機会が多いことに触れ、「いい刺激になります」と述べられた。

側近によると、紀子さまは作品の鑑賞を通じ、それぞれの分野の書家の活躍をうれしく思われている様子だったという。展覧会には昨年、秋篠宮ご夫妻の次女、佳子さまが足を運ばれていた。

「第55回現代女流書100人展」で作品を鑑賞される秋篠宮紀子さま=16日午前9時54分、東京都中央区

高松宮妃癌研究基金の総裁を務める常陸宮さまは22日、常陸宮妃華子さまとともに千代田区パレスホテル東京を訪れ、同基金学術賞の贈呈式に臨席された。がんの領域で特に優れた業績をあげた学者・研究者をたたえるもので、常陸宮さまは車いすでご来場、和装姿の華子さまが続かれた。今年度の受賞者や研究助成金の受領者の名前が読み上げられると、常陸宮ご夫妻は拍手を送られていた。

総裁を務める高松宮妃癌研究基金の学術賞贈呈式に臨み、会場を後にされる常陸宮さまと常陸宮妃華子さま=22日午前、東京都千代田区(緒方優子撮影)
総裁を務める高松宮妃癌研究基金の学術賞贈呈式に臨まれる常陸宮さまと常陸宮妃華子さま=22日午前、東京都千代田区(緒方優子撮影)

【皇室ウイークリー】は毎週金曜日、「産経ニュース」に掲載している企画です。ニュース紙面ではあまり触れられない各宮家のご活動や、上皇ご夫妻のご様子を含め、宮内庁担当記者が皇室の1週間を振り返ります。紙面で掲載できなかった写真もご紹介しています。さらに「皇室ウイークリー」だけのために撮影した写真も、アップしています。

また皇室のご動静は、産経新聞社が取材協力している扶桑社の季刊誌『皇室 Our Imperial Family』でも、詳しくご紹介しています。