「一般の国民の言い分をどう認めるか、それだけのこと」袴田巖さん県警本部長の謝罪に対して発言 支援者からの問いかけに答える=静岡県(2024年10月21日『静岡放送(SBS)』)

再審=やり直し裁判で無罪が確定した袴田巖さんのもとに2024年10月21日、静岡県警の本部長が訪れ直接謝罪し、袴田さんはその後の支援者の問いかけに「一般の国民の言い分をどういう風に認めるか、それだけのこと」と話しました。
58年前の1966年、旧清水市で一家4人が殺害された事件をめぐり、死刑囚だった袴田さんのやり直し裁判では静岡地裁が捜査機関による捏造を認定し、無罪判決が言い渡されました。
検察が上訴権を放棄したことで2024年10月、袴田さんの無罪が確定。
これを受け、静岡県警のトップ津田隆好本部長は10月21日、袴田さんの自宅を訪れ、巖さんと姉・ひで子さんの前で深々と頭を下げました。
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静岡県警 津田隆好本部長>
「逮捕から無罪確定までの58年間の長きにわたり言葉では言い尽くせないほどのご心労、ご負担をおかけし申し訳ありませんでした」
袴田さんは長年の拘置によって精神的に不安定な状態にありますが、本部長の謝罪の言葉を静かに聞いていて、本部長が退室した後、支援者からの問いかけに対して言葉を発しました。
<袴田巖さん>
Q.申し訳ないって話聞いてどうですか?巖さんにご迷惑おかけしたってお詫びされたんですよ?
「権力はこれから認めていくということなんだね。一般の国民の言い分をね。どういう風に認めるか、それだけのことなんだね」
また、ひで子さんも巖さんに話しかけました。
<袴田さんの姉・ひで子さん>
「(謝罪の言葉)聞こえたよね?本部長さんが謝ってくれたのわかったよね?ほんで、あんたもう死刑囚じゃないだから、安心しな」
津田本部長は謝罪後の報道陣の取材に応じ「2人には私の気持ちを受け入れていただいたと思う。強制的、威圧的な取り調べがあったということで誠に申し訳なく思っている」と語りました。

袴田巌さんに静岡県警本部長が直接謝罪 当時の取り調べ手法にも問題認める(2024年10月21日『Daiichi-TV(静岡第一テレビ)』
 
58年前、静岡県の旧清水市で4人が殺害された事件の再審=やり直しの裁判で無罪が確定した袴田巌さんに対し、県警本部長が21日、浜松市の自宅を訪れ、謝罪しました。
21日、浜松市内にある袴田さんの自宅に姿を現したのは県警のトップ、津田隆好本部長。
(津田隆好 県警本部長)
「逮捕から無罪確定までの58年間の長きにわたり、言葉では言い尽くせないほどのご心労、ご負担をおかけし申し訳ありませんでした。今後、静岡県警察といたしましては、より一層、緻密かつ適正な捜査に努めてまいります。申し訳ありませんでした。」
津田本部長は、袴田巌さんと姉、ひで子さんに謝罪。およそ100秒にわたり頭をさげ続けました。
袴田巌さんは9月26日、静岡地裁で開かれた再審で無罪判決を言い渡され、今月9日、検察が控訴する権利を放棄したことで無罪が確定しました。静岡地裁は、判決で捜査機関による3つの証拠のねつ造を認定していました。
本部長が目の前に姿を現すと、その場に立ち上がった袴田さん。ひで子さんらに座るよう促されると、ソファに腰を下ろし、本部長の謝罪に耳を傾けました。
謝罪に、袴田さんと姉ひで子さんは・・・
(姉・袴田ひで子さん)
「私たちは運命だと思っています。巌も私もそう思っておりまして、今さら警察に苦情を言うつもりはありません。」
(袴田 巌さん)
「権力を持つということですね、権力をもったらぐずぐず言わないように、そう心得ております」
謝罪後、報道陣の取材に応じた姉・ひで子さんは・・・
(姉・袴田ひで子さん)
「巌がいつまでも死刑囚でいるということではなくて、死刑囚でなくなったということを忘れるための踏ん切り。その踏ん切りをつけていただきたいと思って、きょうはお迎えしたんです。」
一方、県警・津田本部長は、面会後の報道陣の取材に対し、当時の捜査手法について謝罪しました。
(津田隆好 県警本部長)
「この事件についての取り調べにつきましては、強制的、威圧的な取り調べがあったということで、誠に申し訳なく思っております。」

袴田巌さんに県警本部長が謝罪 “ご心労とご負担申し訳ない”(2024年10月21日『NHKニュース』)
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58年前、静岡県で一家4人が殺害された事件の再審=やり直しの裁判で袴田巌さんの無罪が確定したことを受けて、静岡県警察本部の津田隆好本部長が浜松市内にある自宅を訪れ、袴田さんに対し、「ことばでは言い尽くせないほどのご心労とご負担をおかけし、申し訳ありませんでした」などと謝罪しました。
袴田巌さん(88)の再審で、静岡地方裁判所は9月26日に無罪の判決を言い渡し、10月9日に静岡地方検察庁が控訴の権利を放棄する手続きを取ったことから、袴田さんの無罪が確定しました。
これを受けて、静岡県警の津田隆好本部長が、21日午前11時ごろに袴田さんの自宅を訪れ、本人と面会しました。
本部長は「逮捕から無罪確定まで58年間の長きにわたり、ことばでは言い尽くせないほどのご心労とご負担をおかけし、申し訳ありませんでした」と述べ、袴田さんに頭を下げて謝罪しました。
その上で、「静岡県警といたしましてはよりいっそう、緻密かつ適正な捜査に努めて参ります」と述べました。
面会に同席した袴田さんの姉のひで子さん(91)は、「58年も前の出来事で巌も私も運命だと思っています。いまさら警察に苦情を言うつもりはありません」と述べました。
袴田さんはソファーに座った状態で謝罪を受けましたが、ひで子さんによりますと緊張した様子だったということです。
姉 ひで子さん「死刑囚だったこと忘れるため」
本部長の謝罪のあと、袴田さんの姉のひで子さんが報道各社の取材に応じ、「巌に死刑囚だったことを忘れるためのふんぎりをつけてもらいたいと思ってきょうはお迎えしました」と話しました。
そのうえで「本部長さんは、ざっくばらんに申し訳ありませんでしたと巌に謝っていただきました」と謝罪を受けた時の様子を述べました。
また、無罪判決で証拠のねつ造や非人道的な取り調べが行われたと認定されたことについては、「当時の人ではないし、職務上、来ているのでしょうから、その人に言ったところで何もないと思って申し上げませんでした」と話しました。
そして、袴田さんの様子については「警察の偉い人がきょうは謝りに来るんだという話をしたところ、硬い表情をして顔を紅潮させていました。謝りに来たことが分かっているのかなと思いました」と話していました。
静岡県警 津田本部長「強制的 威圧的取り調べ 誠に申し訳ない」
袴田さんに対する謝罪のあと、津田本部長が報道各社の取材に応じ、「警察として捜査をして結果的に裁判がこれだけ長期間にわたった。巌さんとひで子さんにことばでは言い表せないほどのご心痛やご負担をおかけしたので、本日はそれに対しておわびをしたところです」と述べました。
その上で、無罪判決で非人道的な取り調べが行われたと認定されたことについて、津田本部長は「強制的、威圧的な取り調べがあったということで、誠に申し訳なく思っています」と謝罪しました。