シンシンは4月から展示場所変更のため非展示となっていた。この日からは、リーリーとシンシンを並びの部屋で展示。リーリーは来園者に向かって竹をむしゃむしゃ食べてみせるなど元気な様子で、シンシンはゆったりと寝転がるなどしていた。
「治療で帰ると分かっていても、気持ちが落ち着かなくて」。リーリーとシンシンを10年近く見守り続けてきた東京都荒川区のパート郡山知子さん(59)は時折声を詰まらせながら話した。シャンシャン、双子のレイレイ、シャオシャオを生んでくれたことをねぎらい「今まで癒やしをくれて本当にありがとう」と感謝した。
同園の冨田恭正副園長(59)は、2021年の双子誕生時に、母親のシンシンと飼育係が代わる代わる2頭の世話をしたことを振り返り「飼育係とシンシンの連携で育て上げた」と感慨深げに語った。返還される2頭について「都民に愛され『動物って大事だよね』と感じてもらえた。これが本当に大きな貢献」とたたえた。
園は返還に合わせ、公式サイトでのメッセージ募集やパネル展、飼育職員らの寄せ書き展示などを予定している。詳細は同園公式サイトで。(中山高志)