東京女子医科大(東京都新宿区)で不透明な資金の支出や推薦入試での寄付金受領などが判明した問題で、同大は7日、臨時理事会を開き、岩本絹子理事長(77)を理事長職から解任した。理事職の解任には理事会を監督する評議員会の議決も必要で、今月中旬にも招集される見通し。
発表などによると、この日の臨時理事会では、岩本氏を理事長職と理事職から解任する決議案が出され、岩本氏を除く10人の理事全員の賛成で承認された。
岩本氏は一連の問題を検証した第三者委員会が2日に公表した調査報告書について、「精査したい」などと主張しており、この日も理事職からの辞任には応じなかったという。
第三者委は報告書で、岩本氏に権限が集中し、理事会のガバナンス(組織統治)機能が「封殺された」と指摘。文部科学省は6日、同大理事を呼び、改善計画を早期に策定して提出するよう行政指導していた。
岩本氏は大学創立者の一族で、2008年1月に同大理事に就任。副理事長を経て19年4月から理事長を務めていた。肥塚氏を含む他の理事は、再建に向けた道筋がついた段階で全員が辞任する意向を固めている。