東京女子医大有志「指導強化を」 捜索、寄付問題受け文科省に(2024年7月2日)

 

 要望書では、一連の混乱で、医師や看護師らの退職が相次ぎ、高度な手術の実施などに支障を来していると指摘。患者やその家族との信頼関係の維持も難しくなり、職員の心は「限界に達している」として、理事会への指導を求めた。同大の岩本絹子理事長の辞任、解任を求める教職員や卒業生の署名が、2017筆に上ったことも盛り込んだ。

報道陣の取材に応じる東京女子医科大の本田五郎教授(左)や新浪博教授(中央)ら
報道陣の取材に応じる東京女子医科大の本田五郎教授(左)や新浪博教授(中央)ら

 提出後、報道陣の取材に応じた同大の新浪博教授や本田五郎教授によると、文科省側は高等教育局の課長らが対応。要望に対し「行政の介入には限界がある」として、同大が4月に設置した第三者委員会による調査の結果を見守る意向が示された。

 本田教授は、「現場が 萎縮いしゅく して十分な医療が提供できない危機にある。医療の安全は組織で守る必要があることを行政側に知ってほしい」と述べた。先月26日の大学理事会で岩本氏の退任を求めたが、理事会からは署名が一定数にとどまるなどとして、拒否する回答が今月1日に届いたという。