しっかり洗っているのになぜ?全身から漂う“おしっこの臭い”は「疲労臭」かも…セルフチェック法と5つの発生要因(2024年7月3日『FNNプライムオンライン』)

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仕事や家事で忙しい日々、理不尽なトラブルなど、現代は「ストレスや疲れ」にあふれている。我慢してため込む人もいるだろうが、精神的にだけではなく実は体にも良くない。自分では気づいていないかもしれないが、例えば体臭の原因となっている場合もあるのだ。
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「男女問わず、ツーンとしたおしっこのようなにおいが、体から『疲労臭』として出てくることがあります」
こう指摘するのは、におい研究のエキスパートとして知られる、東海大学理学部化学科の関根嘉香教授だ。この疲労臭は厄介で、シャワーを浴びたり、体を洗っても残ってしまうという。
自分のにおいは気になるものだが、それが“おしっこ臭い”ならさらに心配だ。職場の同僚やママ友・パパ友と話している時にも臭っているかもしれない。なぜ、ストレスや疲れでにおいが出てしまうのか。発生のメカニズムやセルフチェックの方法を関根教授に聞いた。
疲労臭の正体は「アンモニア
おしっこのようなにおいがなぜ体から出てしまうのかというと、人体の仕組みが関係してくるという。日々、当たり前のように行っているが、私たち人間は食べたものを消化・吸収し、栄養を取り込みながら生きている。タンパク質も大切な栄養のひとつだが、腸内で分解する際に作られるのが「アンモニア」なのだ。
このアンモニアは鼻につくような刺激臭を持っているが、普段は肝臓で「尿素」に変わり、おしっこと一緒に排出されている。しかし、肝臓が疲れて働きが悪くなったり、ストレスや筋肉疲労アンモニアの産生が増えると、一部が体内に残ってしまうことがある。
そうして“残ったアンモニア”はどこに行くのか。答えはなんと血液。体中の血管をめぐりつつ皮膚からガスとなって放出されるという。これが疲労臭の正体となる。
アンモニア臭は誰もが若干は出ているのですが、血中のアンモニア濃度が高まると放出されやすくなり、周囲ににおいが伝わってしまうんですね」(以下、関根教授)