無実の人を救う〝最後のとりで〟…再審制度の法整備、超党派議連が法相に要請書 議員立法での法改正も視野(2024年6月18日『南日本新聞』)

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「再審法」改正を求める要望書を提出する議連のメンバーら=17日、法務省
 超党派の国会議員でつくる「えん罪被害者のための再審法改正を早期に実現する議員連盟」は17日、刑事裁判のやり直し(再審)の法整備を求める要望書を小泉龍司法相に提出した。「最後の救済手段として、確固たる手続きが整備されるべきだ」と訴えた。
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 要望書では「三審制という厚い手続き保障があっても、新証拠の発見などで多くの再審無罪判決が出されてきた」と指摘。「人権救済の最後の場として再審があるならば、主要な手続きの根拠規定を明文化することが必要だ」としている。
 議連には311人(同日時点)が入会し、5回の総会で日弁連法務省などにヒアリングを実施。再審に関する手続き規定が刑事訴訟法にほとんどなく、過去の再審事件で証拠開示が不十分だったり、検察官抗告で審理が長期化したりしている問題意識を共有した。
 会長の柴山昌彦衆院議員(自民)は取材に「われわれが提示した論点がきちんと議論されることを期待したい」と述べた。議連は法務省の対応次第で議員立法での法改正も検討する。
 1979年に大崎町で男性の変死体が見つかった「大崎事件」では、過去に3回の再審開始決定が出ているが、検察官抗告によって上級審で取り消されている。

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