規定が乏しく、冤罪(えんざい)被害者の速やかな救済につながっていないと指摘される再審法(刑事訴訟法の再審規定)の改正実現を目指す超党派の国会議員連盟(柴山昌彦会長)は13日、第5回総会を国会内で開いた。9月に判決を控える袴田巌さん(88)の再審を巡り、出席議員から、法改正に消極的な法務省がロビー活動の一環として袴田さんの論告要旨を配っているとの指摘が上がった。
袴田さんの再審で、検察は5月、袴田さんが一家4人を殺害した犯人だと論告し、死刑を求刑している。
総会で自民党の参院議員がロビー活動について発言し、袴田さんの論告要旨が届けられたと暴露した。誰に配られているかは分からないとした上で、もう一方の弁論要旨が手元にない中では「読んだ人は検察庁の言い分を正しいと思う蓋然(がいぜん)性が高いのではないか」と問題視。こうした法務省の姿勢を念頭に対応していかなくては「検察の主張が正しいと思われ(再審法改正を)一生懸命やらなくてもいいのではないかと議員が操作される可能性がある」と懸念した。
■袴田さん姉「証拠開示規定を」
再審法の早期改正を目指す国会議員連盟の第5回総会には、再審が開かれるまでに40年以上を要した袴田巌さん(88)の姉ひで子さん(91)らが招かれた。ひで子さんは「すべからく、(捜査機関の手元にある)証拠を出してほしい。今も隠しているものがあると思う」と証拠開示の規定を設ける必要性を強調。「ぜひ皆さまのお力をお貸しくださいませ」と呼びかけた。