のん主演、新人作家の下剋上!文壇ピカレスクコメディ「私にふさわしいホテル」12月公開 御茶ノ水・山の上ホテルで撮影(2024年6月10日『映画.com』)

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全面休館を迎えた「山の上ホテル」で撮影
 のんが、堤幸彦監督のメガホンで柚木麻子氏の小説を映画化する「私にふさわしいホテル」に主演することがわかった。同作は12月に公開される。
 2008年にオール讀物新人賞を受賞した短編「フォーゲットミー、ノットブルー」を含む単行本「終点のあの子」でデビューした柚木氏。2015年の「ナイルパーチの女子会」で山本周五郎賞受賞、高校生直木賞を受賞し、「ランチのアッコちゃん」「BUTTER」「あいにくあんたのためじゃない」など話題作を次々と発表してきた。柚木氏の「いちばん危険な作品」ともいえる本作は、新人賞を受賞したものの、大御所作家の酷評で小説を発表する場を得られなかった不遇な新人作家・加代子の逆襲を描く。
 「文学史上最も不遇な新人作家」の逆襲は、文壇の裏側に迫るリアリティとスピード感あふれる展開、力強さと繊細さが入り混じる破天荒な主人公の魅力がたっぷり詰まっている。のんが、激しくもチャーミングな主人公・加代子を演じ新境地を見せ、堤監督と初タッグ。なお本作は、加代子が憧れるホテルとして、2024年2月に惜しまれながら全面休館を迎えた「山の上ホテル」で最後に撮影された貴重な作品でもある。
 大御所作家・東十条宗典の酷評で、デビューがふいになった加代子。この恨み、晴らさいでおくべきか――。そう決意しながら憧れの「山の上ホテル」に宿泊する加代子の部屋の上階に泊まっていたのは、なんと東十条だった! 大学時代の先輩で編集者の遠藤の手引きによって東十条の執筆を邪魔し、締切日に文芸誌の原稿を見事落とさせる。だがここからが加代子の更なる不遇と試練の始まりだった……。加代子VS東十条の因縁の対決は、誰にも予想できない方向へと突き進んでいく。
 このほど公開されたティザービジュアルは、のん演じる加代子が小説を書いているシーンが切り取られ、舞台は昭和。レトロな衣装に身を包み、デスクの前で思案するまるで“先生”のような一枚。山の上ホテルのロゴもあしらわれている。
 本作をいち早く鑑賞した原作・柚木氏は「デビューしたばかりの頃の自分を重ねて何度も泣きそうになりましたが、書店員さんの機嫌を必死にとる場面では、本当に涙がこぼれました」と映画の印象を語っている。
▼コメント全文
■主演:のん
とてもやりがいのある作品でした。加代子の野心は手段を選ばない破天荒なもので、敵も味方も自分の目的のために仲間に取り入れていく姿はもはや清々しいと思いました。
この荒唐無稽で強引、爽快な物語はたくさんの人の元気と勇気を引っ張り上げる光になると思います。撮影は本当に楽しかった!加代子のような役柄は今まで演じてこなかった力強さがあり、無理矢理にでも自分の道をこじ開けて進むところは共感を覚えました。この作品を現場にいる全員が面白がって作っている充実感に満ちていて、映画の現場って本当に最高だな!と嬉しい気持ちでした。堤監督はカリスマ的存在だと思います。私も兼ねてより堤作品に出てみたいな、堤作品の中に入りたいなと願っていたので、夢のひとつが叶ったような感銘がありました。なのですごーーく緊張しましたし、浮き足立たないようにクールな自分を保ち、ポーカーフェイスで撮影期間を乗り切りました。台本で読んだシーンを色々な形で想像して臨むものの、思わぬ演出でびっくりさせられて毎日毎シーンわくわくしていました。P.S.現場で堤監督の駄洒落を聞けるのが楽しかったです。
■監督:堤幸彦
原作が面白すぎるので、役者やスタッフと映画ならではの面白ポイントを探りながら、そしてなんとリアル山の上ホテルのロケとかがんばりながらわいわいとやっていたら、なんとも面白カワイイちょっと切ない映画ができてしまった!これはしかし主演ののんさんの力に拠るところも大きい。何を着てもどんな格好でも笑、のんさんは素敵な存在感の演技をする。こぼれそうなメヂカラ、大したマジックだ。ぜひ劇場でご覧あれ。いい気持ちになれますよ。
■原作:柚木麻子
映画化のお話を聞いてとても嬉しかったのですが、加代子を演じても嫌われない俳優さんが日本にいるのかな?という懸念と、山の上ホテルさんから撮影許可がでるかという不安はありました。
けれどその不安は杞憂に終わり、のんさんの不敵な佇まい、そして山の上ホテル。デビューしたばかりの頃の自分を重ねて何度も泣きそうになりましたが、書店員さんの機嫌を必死にとる場面では、本当に涙がこぼれました。
山の上ホテルが休館となった2024年のクリスマスシーズンにぴったりな、華やかでちょっと苦くて、とびきりおもしろい文壇ピカレスクコメディになっています!
 
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文学新人賞を受賞した加代子は、憧れの〈小説家〉になれる……はずだったが、同時受賞者は元・人気アイドル。すべての注目をかっさらわれて二年半、依頼もないのに「山の上ホテル」に自腹でカンヅメになった加代子を、大学時代の先輩・遠藤が訪ねてくる。大手出版社に勤める遠藤から、上の階で大御所作家・東十条宗典が執筆中と聞き――。文学史上最も不遇な新人作家の激闘開始!
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