「島田事件」死刑確定後再審で無罪 赤堀政夫さんをしのぶ会(2024年5月19日『NHKニュース』)

 

70年前に島田市で当時6歳の女の子が殺害されたいわゆる「島田事件」で、死刑が確定したあと再審=やり直しの裁判で無罪となり、94歳で亡くなった赤堀政夫さんをしのぶ会が、18日、静岡市で開かれました。

赤堀政夫さんは島田市出身で、1954年に当時6歳の女の子が殺害されたいわゆる「島田事件」で死刑が確定しましたが、無実を訴え続け、静岡地方裁判所で開かれた再審で1989年に無罪が言い渡されました。
赤堀さんはことし2月に94歳で亡くなり、18日は赤堀さんの誕生日にあわせて静岡市内でしのぶ会が開かれ、かつての弁護団のメンバーや支援者など、約50人が集まりました。
集会では、25歳のときに逮捕され、えん罪を晴らすまで34年余りにわたって収容された赤堀さんを悼んで黙とうをささげたあと、1人1人が思い出を語りました。
この中で、弁護団の1人だった河村正史弁護士は、「同じようなえん罪に苦しんでいる方のために力を尽くしてくれた。『本当にご苦労様でした、よく頑張ってくれましたね』と申し上げたい」と述べました。
その上で、河村弁護士は、赤堀さんの無罪が確定した当時、再審に関する法律の改正に向けた社会のうねりをつくることができなかったとして、袴田巌さんの再審をきっかけに法改正を実現させようと呼びかけました。
集会のあと、赤堀さんの晩年に身の回りの手伝いをしていた支援者の島谷直子さんは、「赤堀さんは『死刑をなくしたい』、『えん罪をなくしたい』という意志を最期まで貫き、周りの人たちに伝えていたのでこれほど多くの人が集まったんだと思います」と話していました。