岩田明子氏「岸田首相は当てが外れたのでは」実質賃金25カ月連続マイナス「厳しい結果」(2024年6月8日『日刊スポーツ』)

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(24年1月撮影)

 元NHK解説主幹の政治ジャーナリスト岩田明子氏が8日、日本テレビ系「ウェークアップ」(土曜午前8時)に出演し、5日に発表された4月の毎月勤労統計調査で、物価変動を考慮した1人当たりの実質賃金が25カ月連続で減少したことをめぐり、「岸田文雄首相にとってはちょっと、当てが外れたということ」と指摘した。

 実質賃金の25カ月マイナスは過去最長の期間で、5日には「過去最長」がインターネットのトレンドワードにもなった。岸田首相は、賃上げの効果や、6月1日から始めた1人当たり4万円の定額減税などの経済政策を打ち出しているが、かねてからの物価高騰に賃金上昇はまったく追い付いておらず、国民の怒りを招く結果になっている。

 岩田氏は「経済の好循環と異次元の少子化は(岸田政権の)目玉政策だった。特に、物価高を上回る賃金を掲げていただけに、連続でのマイナスという数字が出たのは(首相にとって)厳しい結果」と分析。「5月で電気料金の補助金も終わり、生活にすごく身にしみることになっており、さらなる対応策を講じていかないといけない」と話した。

 中谷しのぶキャスターから「(実質賃金25カ月連続マイナスは)想定外だったということですか」と問われると、岩田氏は「ちょっと当てが外れたのではないか」と応じた。「去年、(今年の)定額減税を決めたころには、今年の春には実質賃金プラスも見えてきたという方も総理の周辺にはいたので、ちょっと当てが外れたかなという感じですね」とも述べ、岸田首相の思惑通りには進んでいないとの認識を示した。