日米首脳会談 首相 防衛面で協力深め 経済安保など連携確認へ(2024年4月10『NHKニュース』)

アメリカ訪問中の岸田総理大臣は、日本時間の11日、バイデン大統領との首脳会談に臨みます。自衛隊アメリカ軍の部隊連携の円滑化など、防衛面での協力を深めるとともに、経済安全保障、宇宙など幅広い分野での連携強化を確認する見通しです。

総理大臣として9年ぶりとなる国賓待遇でアメリカを訪れている岸田総理大臣は、日本時間の9日夜、戦没者が埋葬されているアーリントン国立墓地で献花したほか、10日朝にかけて、マイクロソフトのブラッド・スミス社長ら経済関係者などと面会しました。

岸田総理大臣は、10日未明にはバイデン大統領との日米首脳会談に臨みます。

会談では、日米両国が「グローバル・パートナー」として、国際情勢をめぐる課題に対応していく認識を共有し、自衛隊在日アメリカ軍の部隊連携の円滑化など、防衛面での協力を深める方針です。

また、AIなどの最先端技術の開発といった経済安全保障分野に加え、アメリカが主導する月探査計画「アルテミス計画」を含めた宇宙分野など、幅広い分野での連携強化を確認する見通しです。

さらに両首脳は、ウクライナや中東情勢、それに中国、北朝鮮などの動向をめぐっても意見を交わすものとみられ、会談の成果は共同声明などにまとめることにしています。

全米商工会議所の会頭などと意見交換 

岸田総理大臣は日本時間の10日未明、全米商工会議所のクラーク会頭やアメリカの大手企業の経営者らと昼食をとりながら意見を交わしました。

この中でクラーク会頭は「日米両国の経済連携は、インド太平洋地域の安定と平和の基礎であり、両国関係はかつてないほど強固になっている。引き続き、日本との連携・協力を強化したい」と述べました。

これに対し岸田総理大臣は、デフレやコストカット志向からの脱却を通じて日本経済の再生に取り組んでいると説明するとともに、半導体やAI、それに量子などの先端分野で、日米両国が相互の投資を拡大していくことへの期待を示しました。

その上で「日米こそが、世界の安定と繁栄に向けて国際社会をリードしていくという強い決意を共有できた。引き続き各分野で連携を強めたい」と述べました。