「遊戯王カード」窃盗容疑の2人、野球グラブ計50万円相当も万引、転売か 1人は元高校球児(2024年4月10日『東京新聞』)

 

 

 東京・秋葉原で約500万円の「遊戯王」カードを盗んだとして窃盗容疑で逮捕された男2人が、複数の野球専門店から高級野球グラブを盗んだ疑いがあることが、捜査関係者への取材で分かった。警視庁捜査3課は、男のうち1人が元高校球児だったことから、知識を悪用したとみている。

◆スーツケースを手に、売り場の陰で

 逮捕されているのは、住所不定、無職高篠空(たかしのそら=22)、東京都豊島区、無職三見(さんみ)貫太(22)の両容疑者。三見容疑者はプロ野球選手を輩出した強豪高校の野球部でプレーしていた。両容疑者は仕事を通じて、昨年12月ごろに知り合ったという。
 捜査関係者によると、両容疑者は東京都や千葉県の野球用品専門店に客を装って訪れ、グラブを万引した疑いがある。関係先から盗品は見つかっておらず、生活費や遊興費のため、既に転売したとみている。
 両容疑者がグラブ6点(総額約50万円)を盗んだとされるのは、千葉県鎌ケ谷市の「超野球専門店CV」。店内に約1600個のグラブが並ぶ有名店だ。

◆「小売店の大変さ分かっているのか」

 同店によると、1月28日、スーツケースを手にした若い男が店を訪れた。防犯カメラにはグラブを持ちながら周囲を見渡し、物陰でスーツケースにしまい込む様子が写っていた。盗まれたのはいずれも硬式用で、左利きを中心に販売価格5万円以上の高級モデルだった。
 CV代表の中村勇太さん(37)は、交流サイト(SNS)で被害を報告し、同様の行為をしないよう訴えていた。本紙の取材に「犯人は小売店が50万円の利益を上げる大変さを分かっているのか。謝罪して代金を支払ってほしい」と語った。(鈴鹿雄大