◆「政治とカネ」問題だらけ
3補選はいずれも自民の「政治とカネ」問題が付きまとう。東京15区は、江東区長選を巡る買収事件で起訴された柿沢未途氏(自民を離党)の辞職に伴うもので、既に有罪判決が確定。長崎3区も、安倍派から還流した約4300万円を政治資金収支報告書に記載せず略式起訴された谷川弥一氏(同)の辞職による。
自民が3補選のうち二つで候補を出さないのは異例の事態だが、そもそも補選の主因は自民の不祥事。茂木敏充幹事長も「候補を擁立しにくい状況」と認めている。逆風下で仮に全敗したり負け越したりすれば、政権への影響は否めない。
◆島根、長崎は事実上の一騎打ちか
立民は東京15区で新人の酒井菜摘氏(37)を擁立する方向。共産党は新人の小堤東氏(34)が出馬表明したが、立民と協力する可能性も。いずれも新人で日本維新の会の金沢結衣氏(33)、参政党の吉川里奈氏(36)、政治団体「日本保守党」の飯山陽氏(48)と、元自民衆院議員の秋元司氏(52)が立候補する意向を示す。
島根1区は自民新人と立民元職、長崎3区は立民現職と維新新人の事実上の一騎打ちが見込まれる。(山口哲人)