蘇丹紅は、靴磨きや床のつやを増すためなどに利用される。食品への使用は禁止されているが、色味を良くするために使ったとみられている。台湾メディアによると、人が長期摂取すると肝臓や腎臓を悪くしたり、アレルギー症状が出たりする。動物実験などでは発がん性が確認された。
蘇丹紅が混ざった香辛料は、異なる業者が少なくとも2ルートで中国から輸入していた。高雄地検は3月、このうち1ルートについて、食品安全衛生管理法違反で男ら3人を拘束した。3人は中国に会社を設立し香辛料の原料を購入・加工後、複数の会社に販売するなどしたとみられる。別ルートも捜査が進む。
台湾当局は昨年12月以降、中国から輸入される全ての香辛料を対象に検査を実施し始めた。「蘇丹紅」を使った香辛料は検査を強化する前に輸入されたものだった。台湾誌「今周刊」によると、問題の香辛料を輸入した業者は過去にも、台湾当局の水際検査で混入が確認されたことがあったが、複数の業者を使い分け、輸入を継続していた疑いが浮上している。