小林製薬(大阪市)の紅こうじのサプリメントによる健康被害問題は、東アジアを中心に海外からも高い関心が寄せられている。
【リスト】小林製薬が紅こうじを供給していた173社
中国消費者協会(北京市)は29日、市民に対して関連製品の摂取を停止し、体調不良を感じた場合はすぐに医療機関で受診するよう注意喚起した。同協会によると、中国国内では、自主回収の対象製品は直接販売されていないが、通販サイトによる越境EC(電子商取引)などを通じて購入可能という。
中国では日本の医薬品や健康食品の人気が高く、訪日旅行の際に大量購入する人も少なくない。小林製薬は22日、中国の消費者向けに関連製品の摂取停止や回収を呼びかける声明を発表した。
韓国当局は29日、紅こうじ関連製品の輸入停止手続きを取ったと発表した。聯合ニュースが報じた。これまで韓国に輸入されたことはないが、今後、確認された場合は廃棄したり返送したりするという。
今回の問題は、中国メディアが連日報じているほか、通信社の配信などを通じて、英国やインド、マレーシアなど各国のメディアが取り上げている。
ロイター通信は30日、厚生労働省などによる同社工場への立ち入り検査を速報で伝えた。AP通信も関連記事を連日配信し、「日本では消費者向けの製品に対する政府のチェックは比較的厳しく、大量生産品による死亡事故はまれだ」と驚きを伝えている。【河津啓介(北京)、福岡静哉(ソウル)、平野光芳】