林家木久扇、55年レギュラー務めた「笑点」卒業 前代未聞“サプライズ”の数々に仰天「また来週」締め!(2024年3月31日『スポーツニッポン』)

観客とともに黄色のタオルを回す林家木久扇(右から3人目)ら出演者たち
観客とともに黄色のタオルを回す林家木久扇(右から3人目)ら出演者たち

 落語家の林家木久扇(86)が31日、長年レギュラーを務めた日本テレビの演芸番組「笑点」(日曜後5・30)の最後の放送回に出演した。

 1969年から番組史上最長となる55年もの間レギュラーとして活躍。「いやんばか~ん」「木久蔵ラーメン」などの鉄板ネタを武器に、黄色い着物の“与太郎キャラ”として親しまれた。昨年8月に「次の世代にバトンタッチする」と語り勇退を発表していた。

 最後の放送では東京・後楽園ホールに集まった観客も一体となったサプライズのお別れ演出が行われた。最後のお題では観客と出演者に黄色い刺繍入りの今治タオルが配られた。出演者と観客がタオルを回し、木久扇への感謝を回答にして叫んだ。

 林家たい平(59)は木久扇の最後に座布団を贈ることを提案。他のメンバーも便乗し、椅子に座る木久扇の姿が隠れるほどの座布団が積まれた。粋な演出に木久扇も「写らなくなるだろ!」と座布団の山を崩して応戦。会場からは大きな拍手が送られた。

 司会の春風亭昇太(64)から「今のお気持ちはいかがですか」と振られると「また来週」と一言。「楽しいからずっとやる」とまさかの“残留宣言”で55年の出演を締めくくった。

 収録後の会見では「すがすがしく卒業していきたいと思っていた。皆様のおかげで、今日は大成功でした」と晴れ晴れとした表情で心境を告白。タオルのサプライズについては「とても驚いた」と率直な感想を吐露。「このハンカチは1枚500円くらいじゃないかと計算して、僕たちのギャラから引かれるじゃないかとハラハラしながら見ていた。ありがとうございます」と述べ、笑いを誘った。

 残るメンバーには「面白い答えには座布団。つまらなければ(座布団を)取るという基本に返れば、ずっと笑点は50年、100年と続いていくと思います」とエールを送った。

 昇太には、勇退を発表した際にねだった“退職金”の2000万円を再び要求。「まだくれないのよ。老後に備えたいのよ」と言い放ち、最後まで商魂たくましい“らしさ”を忘れなかった。