小林製薬の大阪工場に立ち入り検査に入る厚労省の職員ら=大阪市淀川区で2024年3月30日午前10時57分、三村政司撮影
小林製薬(大阪市)が機能性表示食品として販売していた「紅麹(こうじ)」のサプリメントを摂取した人から健康被害の報告が相次いでいる問題で、厚生労働省と大阪市は30日、食品衛生法に基づき、同社の大阪工場(同市)に立ち入り検査に入った。
健康被害を巡っては、サプリの原料の一部から、青カビが作り出す天然化合物「プベルル酸」が検出された。同社の厚労省への説明によると、大阪工場で昨年9月に製造したサプリの原料を同社が解析したところ、プベルル酸が確認されたという。大阪工場は昨年12月に閉鎖されている。
十数人が検査に入る
大阪市淀川区の大阪工場には30日午前11時前、大阪市職員5人と厚労省の職員約10人が入った。
小林製薬は大阪工場で2016年に紅こうじ原料の製造を開始。敷地が狭く、老朽化していたため、23年12月に生産を停止し、和歌山県紀の川市の工場に移転した。
プベルル酸が大阪工場で製造した紅こうじ原料から検出されていることから、同社は大阪工場の製造過程で混入したか、生成された可能性が高いとみている。
小林製薬の製造責任者は大阪工場での衛生管理について「教育で徹底していた。トラブルなどの事例はあったが、品質管理を徹底して改善してきた」と説明している。厚労省などは和歌山県の工場にも立ち入り検査する方針。【奥山はるな、戸田紗友莉】