大阪市は27日、自主回収の対象となっている3商品の回収命令を出した。市は回収を終えた段階でさらに廃棄命令を出す方針という。

小林製薬は27日、4月1日に大阪市のホテルで開催を予定していた入社式を取りやめると発表した。新入社員81人が出席し、小林章浩社長の訓示や新入社員による「誓いの言葉」などを計画していた。「紅こうじ」を使用したサプリメントによる健康被害の拡大を受けた対応という。

小林製薬は別途、今回の問題などについて新入社員に説明する時間を設けるとしている。

林芳正官房長官は27日の記者会見で、一連の問題に関し「今回の事案は、機能性表示食品の安全性に対する疑念を抱かせる深刻なものだ」と述べた。

厚労省によると、2人目の死亡例は、小林製薬が公表した1人目と同様に腎疾患とみられるが、詳しい情報はないという。政府内で緊密に連携して対応するため厚労、農林水産両省と消費者庁は27日午後に関係省庁連絡会議を開いた。

大阪市への通知で、廃棄命令の対象製品としたのは「紅麹(べにこうじ)コレステヘルプ」3種類と「ナイシヘルプ+コレステロール」「ナットウキナーゼさらさら粒GOLD」。多くの健康被害や死亡例が報告されたことなどから、厚労省は「有害物質が含まれている疑いがある」と判断した。

問題を巡っては、小林製薬が被害を把握してから公表するまで2カ月超を要した。消費者庁は、2015年の機能性表示食品の制度開始後、メーカーが健康被害を公表して自主回収する初めてのケースだとし、届け出がある全ての機能性食品6000件超を緊急点検する方針。

健康被害があった紅こうじは小林製薬の大阪工場(大阪市)で製造された。同社は、想定と異なるカビ由来の成分が原因となった可能性があるとしているが、特定はできていない。