小林製薬の紅麹原料を含むサプリメントが原因とみられる健康被害が相次いでいる問題で30日午前10時50分前に大阪市の職員が、11時前に厚生労働省の職員が小林製薬の閉鎖された大阪工場に到着しました。立ち入り検査を始めます。検査は食品衛生法に基づくものです。
小林製薬の紅麹使ったサプリについては摂取した後に、死亡するなどの健康被害を多くの人が申告している一方、被害との因果関係は明らかになっていません。
小林製薬は去年12月まで、大阪市内の工場で原材料となる紅麹を製造していましたが建物の老朽化などを理由に閉鎖しました。厚労省は、関連を疑われる死者が増える中「あらゆる手を尽くしたい」としていて、原因究明の手がかりになる資料がないか、製造工程などを入念に検査する方針です。
小林製薬は大阪工場の閉鎖後、設備を和歌山県内に移転していて、31日に和歌山の工場に立ち入り検査をする予定です。
“未知の成分”は「プベルル酸」か
小林製薬は29日会見を開き、紅麹に意図せず混入した成分について厚生労働省に「プベルル酸」の可能性があると伝えていたことを明らかにしています。
小林製薬によりますと、「プベルル酸」は青カビから生成される可能性があるとして、製造課程で青カビが入るところがなかったか、製造ラインの総点検を行っているとしています。
ただ、今回の健康被害が「プベルル酸」によるものなのかは、明らかになっていません。小林製薬は今後、国と検証をしていくとしていますが、期間については未定としています。
紅麹を使ったサプリめぐっては、これまでに70代から90代の5人が亡くなっていて、114人が入院していたことも明らかになっています。通院や通院を予定している人は約680人にのぼり、小林製薬は治療費などの費用を負担するとしています。
そもそも紅麹とは?
「紅麹」とは米や麦など穀物に、カビの一種である紅麹菌を混ぜて発酵させたものです。一般的には味噌などの発酵食品や食品の色付けなどに使用されますが、東京大学名誉教授(農学博士)の唐木英明さんによると、食品に使用されているものについては問題ないということです。