ハウスメーカーで注文住宅を建てた夫婦「工務店との違いを実感…」意外に自由度が低いことも(2024年3月27日)

  ハウスメーカーで建てた夫婦「オプションが高い」

まずは不満だった点として、「とにかくオプションの一つ一つが高く、希望をすべて叶えようとすると総額が非常に高額になるので妥協の連続だった」という点を挙げられました。

注文住宅は、間取りや仕様があらかじめ決まっている建売住宅とは異なり、間取りのほか外観デザインなども住む人の要望を叶えやすいことがメリット。

基本となる建物の構造や設備、仕上げ材があり、ハウスメーカーごとに異なっています。

そのため、メーカーで決められている仕様以外の設備や仕上げ材を希望するとオプションとなります。

注文住宅でよくあるオプションには、オール電化や電動シャッター、複層ガラス、二重窓、樹脂サッシ、床暖房、浴室暖房乾燥機、外壁タイル、宅配ボックス、造作家具などがあります。

注文住宅は非常に選択肢が多いためあらかじめ予算の上限を決めておき、どれくらいのオプション費用を追加できるのかを試算しておかなければ、予算オーバーとなってしまうので注意が必要です。

ハウスメーカーで建てた夫婦「注文住宅なのに自由度が低い」
次に不満だった点として、「注文住宅なのに自由度が低く、何かを選択するにも基本的には標準仕様の中から選ばなければならなかった」と答えています。

ハウスメーカーの注文住宅は、

 ・屋根や外壁
 ・内装
 ・窓
 ・玄関ドア
 ・キッチン
 ・ユニットバス
 ・トイレ
など、住宅に必要な建材や住宅設備機器に対してそれぞれ仕様が定められています。

これを標準仕様といいますが、この中から選択するのが原則になります。

標準仕様は変更することが可能ですが、ハウスメーカーは建材や住宅設備機器を大量に仕入れてコストダウンを図っていることが多いため、前述したように仕様を変更すると割高になります。

そのため、総額の建築費が高額になってしまうことが多くなります。

したがって、標準仕様の中に自分が希望する設備や仕上げ材、デザインなどが含まれているハウスメーカーを選ぶと、予算を抑えることができるようになります。

 

ハウスメーカーで建てた夫婦「実際に住んでいる人の家を見学できた」

反対に良かった点として、「モデルルームや実際に住んでいる人の家を見学することができたので、色味や質感、大きさなどがイメージできて良かった」と挙げられています。

ハウスメーカーは各地の住宅展示場にモデルルームを配置していることが多く、さらに実際に建築した注文住宅を見学できる完成現場見学会などのイベントを開催していることがあります。

特に完成現場見学会は、いつでも見学できるモデルルームと違って実際に建て主がオーダーしたものなので、非常に希少性が高いといえます。

立地条件や周辺環境、建て主の家族構成、ライフスタイルに合わせて予算も考慮しながら建築されているため、自分のライフスタイルや家族構成、予算と重ね合わせながらより現実的な住まいづくりを体感することができます。

ハウスメーカーで建てた夫婦「地鎮祭上棟式の準備がいらなかった」
他に良かった点として、「地鎮祭上棟式に必要なものや、大工さんに渡すものなどの準備が不要で助かった」とも語ります。

国内で住宅を建築する時に行う儀式には、地鎮祭上棟式などがあります。

いずれも、必ずしも行わなければならないものではありません。しかし縁起が良いとされているので、縁起担ぎや厄介払いの意味で、現在も行う方が少なくありません。

そしてこれらを行なう場合には、基本的に神主への依頼や儀式で使う笹竹、砂など(地鎮祭の場合)の用意は施工会社が行いますが、お供え物や初穂料(祝詞のお礼として納めるお金)は建て主が用意します。

しかしお供え物の用意なども全てハウスメーカーに任せることもできるので、仕事などが忙しくて準備する時間がない時には非常に便利です。

まとめにかえて
注文住宅を建てる際の依頼先には、ハウスメーカーのほかに地場の工務店があります。

工務店は会社規模は小さいものの、ハウスメーカーのように住宅が規格化されていません。

そのため設計の自由度が比較的高く、人件費や広告宣伝費もハウスメーカーほどかかっていないので、建築費が安いというメリットがあります。

したがって注文住宅を建築する際には、さまざまな会社の得意なことやできないことを知って、自分に合った建築会社を選ぶことが非常に重要になります。

参考資料
 ・国土交通省住宅局「令和4年度住宅市場動向調査報告書」
 ・日本銀行「金融政策の枠組みの見直しについて」

亀田 融

 

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