「沈黙が臆測招いている」米メディア指摘 大谷選手、取材対応へ(2024年3月25日『毎日新聞』)

記者会見に臨むドジャース大谷翔平選手(右)。隣は通訳を務めていた水原一平氏=ソウル市内で2024年3月16日、坂口裕彦撮影

 

 米大リーグ・ドジャース大谷翔平選手(29)の通訳を解雇された水原一平氏(39)の違法賭博問題を巡り、大谷選手は24日、報道陣に25日(日本時間26日)に取材対応すると明らかにした。米紙ロサンゼルス・タイムズなどが伝えた。広報担当者もこれを確認したという。

 問題の発覚以降、コメントを避ける大谷選手には「沈黙が臆測を招いている」(ロサンゼルス・タイムズ)と説明を求める声が米メディアからも出ていた。ドジャースのロバーツ監督は、大谷選手が自ら話すことを支持すると表明。「彼が知っていることを話し、考えを述べてくれることをうれしく思う」と述べた。

 米スポーツ専門局ESPNなどによると、水原氏は米西部カリフォルニア州ブックメーカー(賭け屋)に借金があり、大谷選手の銀行口座から少なくとも450万ドル(約6億8000万円)の送金があった。水原氏は当初、大谷選手が借金返済の肩代わりをしたと説明。翌日に撤回し、大谷選手は借金について何も知らなかったと語っていた。

 賭け屋の弁護士はAP通信に対し、「(賭け屋は)大谷選手といかなる形でも接触したことはない」と話している。大谷選手の代理人が所属する法律事務所は、大谷選手が「大規模な窃盗の被害」にあったと訴えており、捜査当局に刑事告訴している。また、大リーグ機構(MLB)も調査手続きを始めている。【ニューヨーク中村聡也】

 

大谷翔平が26日に水原一平元通訳の賭博問題について発言 ロバーツ監督歓迎「正しいこと」(2024年3月25日『産経新聞』)

 
ドジャース大谷翔平(左から2人目)と水原一平氏アリゾナ(蔵賢斗撮影)

 米大リーグ、ドジャース大谷翔平選手が25日(日本時間26日)に、専属通訳の水原一平氏の違法賭博疑惑が発覚後、初めて取材に応じることになった。球団が24日のエンゼルスとのオープン戦前に明らかにした。

 スポーツ専門局ESPNなどによると、大谷が自ら言葉を発することにロバーツ監督は「そうすることは正しいことだ。彼が自分の知っていることを話し、全体の状況に関しての考えを語ってくれることを私はうれしく思う。(彼が話せば)われわれももう少し事態がはっきりすると思う」と歓迎したという。

 水原元通訳は19日にESPNの取材に、賭博でつくった借金450万ドル(約6億8000万円)を返済するため、当初は大谷がパソコンを使用して自分の口座から違法ブックメーカーに送金したと証言したが、その翌日のインタビューで「大谷は何も知らない」と前言を全面撤回。大谷の代理人事務所側も「巨額窃盗の被害者だ」と声明を発表。ドジャースは元通訳の解雇に至った。

 大リーグ機構や内国歳入庁(日本の国税庁にあたる)が調査を開始した上、大谷本人が説明しないため、米メディアの報道がヒートアップ。「大谷本人の聴取も」や「試合出場に影響か」などと連日、大きく扱われている。地元紙ロサンゼルス・タイムズは「大谷が沈黙するのは憶測を招く」と取材を求めた。話せないこともあるとは思われるが、大谷自身の発言が注目される。