コアCPIは前年同月比2.8%上昇した。プラス幅の拡大は4カ月ぶり。政府による電気・ガス代負担軽減策の影響一巡が押し上げ要因となった。エネルギーも除いたコアコアCPIは3.2%上昇と6カ月連続でプラス幅が縮小。市場予想は3.3%上昇だった。
日本銀行が19日の金融政策決定会合で、世界で最後のマイナス金利(マイナス0.1%)を解除するなど政策正常化に踏み出し、市場の関心は先行きの利上げペースに移っている。会合後の会見で植田和男総裁は今後の政策運営について、物価見通しの上振れや上振れリスクの高まりは「政策変更の理由になる」と言及したが、当面は経済・物価情勢を慎重に見極めていく局面といえそうだ。
賃金動向を反映しやすいサービス価格は2.2%上昇と、前月から横ばいだった。今年の春闘では第1回回答集計の平均賃上げ率が33年ぶりに5%を超えており、賃金コストの上昇に応じた価格転嫁が進むかが注目されている。