【有馬晴海の突撃!永田町】〝期待半分〟で待つ18日衆院政倫審 注目の下村元文科相、どこまで真相を語るか?(2024年3月17日『サンケイスポーツ』)

政治評論家、有馬晴海

2022年8月某日、議員会館某事務所で自民党安倍派幹部が集まった。テーマは、派閥のパーティー券をノルマ以上に販売した議員に超過分の売り上げを戻すかどうか。同派会長だった安倍晋三元首相が同年4月に還流中止を指示したが、同7月に急死していた。

「議員たちから還流の要望が出ている」「議員個人が開くパーティー券を派閥が買う形で議員に返すというのはどうだろう」「それだったら私も反対はしない」「それなら適法だ」…などと話は進んだのだろうか。

実際には、事務方から各議員秘書らに現金を手渡しする方法で超過分を還流していたとされる。派閥からの支出は記入せず、議員の政治団体に記載されると整合性がなくなるので記載しないようにとの指示もあった。

問題は、現金での還流を誰が決めたのか。「現金じゃないと自由に使えない」「使い勝手がいいお金がありがたいね」「これまでも何事もなかったし」「俺だって何かと物入りだ」…などといったやり取りが幹部間であったかどうかは、私の〝妄想〟。だが、幹部会合で特定の誰かが還流復活を強く主張したとしても、他の参加者もその場で了承した一人であるため、政治倫理審査会などの場で「○○が言い出した」などと実名をあげるわけにはいかない。〝主犯格〟を突き止めるのは難しいわけだ。

18日、その会合に出席していた一人、下村博文文科相衆院政倫審に出席する。森喜朗元首相との不仲説が伝えられ、森氏のパーティー券問題への関与が下村氏から明らかにされるのではないかとの観測も流れる。幹部会合の実態を明るみにするのではないかと期待の声もある。一方で、他の議員の不利益な情報を告白すれば、自身の議員としての立場も危ぶまれる。どこまで真実を語るのか、「期待半分、がっかり半分」で18日を待ちたい。(政治評論家)