北陸新幹線の金沢・敦賀間きょう開業 「北陸応援割」も開始(2024年3月16日『NHKニュース』)

鉄道

北陸新幹線の金沢・敦賀間が16日開業し、午前6時すぎに福井県敦賀駅から東京駅に向かう最初の列車が出発しました。16日から「北陸応援割」も始まり、観光需要の喚起へとつながるか注目されます。

6:11 中条あやみさんが駅長と「出発進行」

福井県側の始発駅となる敦賀駅の新幹線ホームで行われた出発式では、発車メロディーが流れたあと、午前6時11分に、敦賀駅の駅長とスペシャルゲストとして参加した俳優の中条あやみさんが「出発進行」と声を合わせました。

そして、大勢の人が旗を振ったりカメラを向けたりする中、1番列車がゆっくりと東京に向けて出発すると、集まった人たちから拍手が送られました。

東京駅でも出発式 

16日朝は、東京駅で出発式が行われ、JR東日本の深澤祐二社長が、「能登半島地震で被害に遭った皆様に心からお見舞い申し上げますとともに1日も早く日常に戻れるよう祈念を申し上げます。首都圏や信越地方から北陸地方への流動がさらに活発になり、北陸地方の間でも交流が深まることを期待しています」と述べたあと関係者がテープカットを行い、開業を祝いました。

そして、駅長が、石川県出身の俳優、浜辺美波さんとともに出発の合図を行うと、午前6時16分に下りの1番列車の「かがやき501号」が敦賀駅に向けて出発しました。

福井と東京 最短で2時間51分

北陸新幹線は、石川県の金沢駅福井県敦賀駅を結ぶおよそ125キロの区間が16日開業し、沿線の各駅では早朝から記念の式典が行われています。

福井県側の始発駅となる敦賀駅では、JR西日本の長谷川一明社長が、「本日の開業によって国内・国外からの多くの利用客の心を動かし、未来を動かすことにつながっていくことを期待している」とあいさつしました。

そのあと、ホームでは大勢の関係者が見守る中、午前6時11分に敦賀駅長が「出発進行」の号令をかけると、東京駅に向かう最初の列車「かがやき502号」が出発していきました。

今回の延伸で、福井と東京の間は最短で2時間51分と30分程度、金沢と大阪の間は特急の乗り継ぎも含めて最短で2時間9分と20分程度、それぞれ短縮されます。

16日から「北陸応援割」も始まり、北陸地方への観光客の増加など経済への波及効果が期待されています。

北陸新幹線は、2015年に金沢までの区間が開業しましたが、金沢・敦賀間は、工事の遅れなどで予定より1年遅れ、事業費は1兆6700億円余りに上っています。

今回の開業で、石川県の小松駅加賀温泉駅福井県芦原温泉駅福井駅、越前たけふ駅、敦賀駅の6つの駅が新設され、東京駅と敦賀駅の間を直通する「かがやき」と「はくたか」は1日にあわせて14往復、運行します。

東京・敦賀間の所要時間は最短で3時間8分で、これまでの金沢駅で在来線の特急に乗り継ぐ場合と比べて50分短縮されます。

一方、北陸新幹線は全線開業に向けて敦賀駅新大阪駅の間でも延伸が計画されていますが、沿線の環境への影響を評価する手続きが遅れていて着工の見通しが立たない状況が続いています。