世耕氏は、政治資金収支報告書の不記載が長年続いていたことは「一切知らなかった」とした。改選対象の参院議員はパーティー券の売り上げが全額還流される派閥内の仕組みに関しても、「私は決める過程に全く関与していないので説明できない」と述べた。
安倍派は、2022年4月の幹部会で還流廃止の方針をいったん決めた後の22年8月、幹部が再度集まり、還流の取り扱いを協議した。いずれの会合にも出席した世耕氏は「8月の会合で現金還付の復活が決まったことはない」と強調。その後、なぜ復活したかは「残念ながら分からない」と関与を否定した。
還流の仕組みについて、「少なくとも十数年前には始まっていた。13年ごろから私の事務所でもあった」と述べた。橋本氏も仕組みを把握したのは「10年以上前」と説明した。
西田氏は政倫審で、派閥幹部への不満を表明した。還流を巡って「安倍晋三元首相が『やめろ』と言ったのに、続けた派閥幹部は責任重大だ」と指摘。説明責任が「全く果たされてない」と反発した。
参院政倫審での審査実施は1985年の設置後初。2月29日と3月1日に開かれた衆院政倫審と同じく、報道機関に全面公開で実施された。政治資金収支報告書の不記載があった自民議員ら32人が審査対象となっていた。 (三輪喜人)
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◆世耕氏地元の「女性ダンサー会合」に秘書も出席
自民党の世耕弘成前参院幹事長は14日の参院政倫審で、地元の和歌山市で昨年11月に開かれた党会合に露出の多い衣装の女性ダンサーが招かれていた問題を巡り、自らの秘書が参加していたと明らかにした。「ああいう写真が撮られるのは極めて不適切だった。監督責任として厳しく注意し、自宅謹慎を申し付けている」と述べた。
世耕氏は、和歌山市の選挙区内の有権者に高級クッキーを渡していたとして、寄付行為を禁じる公職選挙法違反の疑いも指摘されている。立憲民主党の蓮舫氏は、還流された資金でクッキーを購入した可能性を指摘し、「こういう使われ方を堂々と胸を張って言えるのか」とただした。
世耕氏は「クッキーは個人的に用意した。和歌山の有権者には私の資金管理団体で購入した贈答品は何一つ渡したことはない」と違法性を否定。「贈答品はいくつか還付金の中から買っているが、与野党の政治家との会食の手土産や、経済界などからごちそうになる時にこちら分の負担との思いで返している」と述べた。(近藤統義)
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