28日に行われた衆議院の3つの補欠選挙で自民党が全敗し立憲民主党が全勝しました。 この結果は、次の衆議院選挙をめぐる各党の戦略にも影響するとみられています。
【写真を見る】「立憲全勝」の補選結果に 各地の激戦区で緊張高まる
野党・維新は?逆風・自民は? 激戦区では、すでに駆け引きが激しさを増しています。
■福岡5区立憲は維新に警戒
福岡県の筑紫野市や太宰府市などを選挙区とし、これまで4人が出馬する意向を示している福岡5区。28日の補選で3勝全勝となった立憲民主党で現職を務める堤かなめ氏(63)は、自民党への逆風を追い風として勢いに乗りたい考えです。
立憲 堤かなめ氏 「解散総選挙は、国民のためには早くあったほうがいいのではと思います」 一方で長崎3区で一騎打ちとなり反自民票の受け皿を争う維新に対しては「タカ派」と表現し警戒を強めています。 立憲 堤かなめ氏 「維新は自民党の補完勢力といいますか、自民党よりもタカ派的なところもあるので国民の皆さまにも分かって頂きたい」
■維新は「立憲批判」強める
その堤氏の事務所の目と鼻の先で挨拶をしていた維新の松尾嘉三氏(55)。 去年の県議選で落選するまでは自民党所属の県議でしたが、古巣の自民だけではなく立憲に対する批判も強めています。
維新 松尾嘉三氏 「皆さん分かる通り、今もう自民党さんもあんな状態でちょっと裏金問題とかで揉めてますし。立憲は、もう批判は上手なんですけどですね。ただ、今までの政治を見てきて、立憲さんの立場があるでしょうけども、ある意味惰性で来られたところの政治がどうしても否めない」
■逆風自民「ひとりひとりにお願いするしか…」
与野党対決となった保守王国・島根で政治とカネの問題が大きく響き敗北した自民党。こうした逆風の中5区から出馬を目指すのが栗原渉氏(58)です。
前回の衆院選では、公示直前に自民党本部から出馬をあきらめるようなかば強引に説得された栗原氏。 涙を呑んだ選挙から2年半、今度は党への逆風を受け、厳しい戦いとなることが予想されています。 自民 栗原渉氏 「いろんな情勢が変わりますので私は新人で挑戦するほうですからおひとりおひとりお願いしていくと、これを続けるしかないと思っています。政権運営が結果を受けてどう進めていくのかということをみながら、とにかく民意が大事ですから民意がすべてだと思っていますので大事にしていきたい」
■不戦敗 自民関係者は「みっともない」
自民党福岡県連の幹部は、今回の補選の結果について長崎3区と東京15区に自民党が候補を擁立できなかったことを「みっともない」としたうえで、「長年の支持者の間でも今の自民党に対する失望があった」との見方を示しています。 国民の信頼が回復していないことを厳しく突きつけられた自民党。 その裏で繰り広げられた異例ともいえる野党同士の戦いが次の選挙にどう響くのか。 追い詰められた岸田総理の今後の出方に福岡でも緊張感が高まっています。
RKB毎日放送