裏金還流復活の経緯「私が知りたい」 安倍派幹部の世耕氏「私は参院への連絡役」 あきれる蓮舫氏「都合のいい記憶だ」(2024年3月14日『東京新聞』)

 
自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け14日開かれた参院政治倫理審査会(政倫審)で、安倍派の有力者「5人衆」の一人、世耕弘成(せこう・ひろしげ)前参院幹事長は「(自身は)参議院への連絡役の立場との認識だった」とし、裏金づくりへの関与を全面否定した。(デジタル編集部)
立憲民主党蓮舫参院議員への質問に答えた。
安倍派の裏金づくりについては、2022年4月に安倍晋三元首相の提案で、派閥パーティー収入のキックバック廃止を決定したという。安倍元首相の死後、復活したが、その経緯は明らかになっていない。
世耕氏は、この日の審査で、「私の目からすると、話し合ったというよりは、(キックバックを中止するとした)安倍会長の決定を伝達された。参議院側に伝えてほしいと呼ばれたと認識している」とし、キックバック廃止を決めた会合に同席していたことを認めた。
3月1日の衆院政倫審では、安倍元首相の死後、2022年8月の幹部会合でキックバックの復活を決めたかどうかで、幹部らの証言が食い違っていた。
8月の会合にも同席したという世耕氏は、「このとき何か確定的なことは決まっていない」と説明した。
では、いつキックバックを復活することが決まったのか。
 
世耕弘成前参院幹事長㊨と蓮舫参院議員

世耕弘成参院幹事長㊨と蓮舫参院議員

蓮舫氏 (キックバック復活を)誰が方向を決めたのか?
世耕氏 私も残念ながら分からない。私自身は、参議院への連絡役の立場の認識だったので、派閥全体の特にお金に関わることに口を挟むのはよくないという思いから、自分から積極的にあれどうなったっていうことをしなかった(聞かなかった)
世耕氏 あのときフォローしておけば、それ(復活)はダメだと言えた。大変後悔している。
蓮舫氏 こっちも、より分からなくなった。世耕さんがいて、下村さんがいて、西村さんがいて…その場でしか安倍さんの言ったことをひっくり返す会はないでしょ
世耕氏 誰が決めたのか、本当に私自身、知りたい。
蓮舫氏 あなたが知りたいという以前に、国民が知りたい。
核心部分になると、あいまいな発言を繰り返す世耕氏に、蓮舫氏はあきれたように、こう言い放った。
「都合のいい記憶だ」「肝心なことの記憶はなくして、それ以外を雄弁に語るのは信用できない」
世耕氏は、この日の政倫審で冒頭、「2004年には党の餅代・氷代の現金手渡しの廃止に取り組んできた」「企業団体献金を極力受け取らないようにしてきた」と自身の経歴を披露。
「政治と金の問題について若手議員の頃から問題意識を持って取り組んできた」と強調していたのだが…。