多額の裏金をどう処理し、何に使っていたのか。橋本氏の審査の模様を詳報する。(デジタル編集部、政治部)
◆14:57 還流は「知っていたが裏金とは…」
派閥からのキックバック分の不記載について「還付金の存在自体は知っていたが、政治資金として事務所内で適正に処理されていると思っていた。いわゆる裏金との認識はなかった」と述べた。
◆15:02 裏金の使途「政治活動に適正使用」
問題発覚後、橋本氏が自身の事務所担当者に確認したところ、派閥から2018年~2020年に計2057万円の還付金を受け取っていたことが判明したという。
その上で「私の事務所では、いわゆる使途不明分はございません」と強調。「(派閥事務局の意向で)領収書を発行できなかったために、寄付金収入としては計上できなかった。担当者は困惑の末、私個人からの借入金収入として収支報告に計上した上で、政治活動に適正に使った」と説明した。
◆15:08 「自民党議員の7割は関係ない」
牧野氏からキックバックの経緯について問われた橋本氏は、「報道で初めて知った」と説明。29年の議員生活で「まったく知ることがなかったということに関して、心苦しく責任を感じている」と話した。
橋本氏は政治資金規正法を改正する必要性について問われ、「国民の信頼を回復するためにも、厳しい改正は必要だろう」と語った。
◆15:17 還流知ったのは「10年以上前」
橋本氏は、キックバックの慣行を知ったのは「今から10年以上前」と説明。「すべて適正に処理をされているものと認識していた」とした。
ただし、誰がキックバックを考案したかは「存じ上げない」と述べた。
◆15:42 パー券のノルマ「分からない」
橋本氏が「私には報告がなかったので、金額的には分からない」と返答。
里見氏は「当時ご存じなかったかもしれないが、事後には承知されていると思う」と重ねて聞いたが、橋本氏は「把握できていない」と述べた。
この慣行についても、橋本氏は「全く私は存じ上げなかった」と説明した。
◆15:56 裏金「橋本氏からの借入金」で処理
橋本氏によると、派閥の資金パーティーが終わると、事務所の担当者が派閥事務局で現金で受け取り、事務所の口座に入金。橋本氏個人からの借入金として処理していたという。
橋本氏は「毎回、税理士の監査を受けているので問題ないという報告を受けており、私はそれ以上疑うことなく、承知をしていた」と語った。
◆16:07 寄付とは書けず「便宜的に」
「政治活動として使用させていただくのであれば、収支報告書に記載しなければいけない」と橋本氏。でも、派閥からの寄付とは書けない。
苦肉の策として、「秘書が『便宜的な形で(政党支部の)借入金とするしか方法がない』ということで、そのような処理の仕方をした」と明かした。
舟山氏は「国税庁に確認したところ、政治活動への寄付は必要経費として認められるが、貸し付けは認められていない。経費として認められない以上、所得として課税対象になるのではないか」と迫ったが、橋本氏は「弁護士、あるいは税理士に確認をしたが、あくまでも政治活動としての収入であると確認している」と答えた。
◆16:19 「森喜朗先生は大変大きな存在」
橋本氏が参院議員に初当選したのは、1995年。共産党の井上哲士氏は、「1990年代後半に始まったのではないか」とする安倍派幹部の塩谷立氏の証言を持ち出し、安倍派でキックバックの仕組みが始まった時期を尋ねた。
橋本氏は「いつからどのようにそのようなことが慣行的に行われていたのかとか、そういったことは存じ上げない」と述べた。
安倍派会長を務めた森喜朗元首相は、スポーツ行政にも長く影響力を与えてきた。
井上氏は、五輪メダリストでもある橋本氏に、裏金の経緯を説明するよう「橋本氏から進言してはどうか」と促した。
橋本氏は「私自身が政治の道に進めていただいたのも森喜朗先生であり、大変大きな存在であり指導者」などと述べ、正面から答えなかった。