有権者に贈った高級クッキー、世耕弘成氏「個人的に用意」 「裏金」で毎月購入する得意先だが…「一切関係ない」(2024年3月14日『東京新聞』)

 
14日の参院政治倫理審査会(政倫審)では、自民党安倍派の世耕弘成(せこう・ひろしげ)前参院幹事長が地元有権者に高級クッキーを贈っていた問題も取り上げられた。
世耕氏の資金管理団体は、派閥からキックバック(還流)された資金で、高級クッキーを取り扱う老舗洋菓子店から「贈答品」を頻繁に購入していたからだ。
有権者に贈った高級クッキーも「裏金」で購入したものだったのか。世耕氏の言い分は―。(デジタル編集部)
 
参院政治倫理審査会に臨む自民党の世耕弘成前参院幹事長=14日、国会で

参院政治倫理審査会に臨む自民党世耕弘成参院幹事長=14日、国会で

◆裏金の使途「胸張って言えるのか」

裏金事件を受け、世耕氏の資金管理団体が訂正した政治資金収支報告書によると、2021、22年に派閥からキックバックされた資金から「贈答品」の購入に繰り返し支出されている。
世耕氏の選挙区にある和歌山市在住の男性は、自身のブログで、2023年11月ごろに世耕氏と東京都内で会食した際、世耕氏からこの店の高級クッキーを受け取ったことを明かしている。
蓮舫氏は、「ブログに堂々と(クッキーをもらったと)豪語している」と引き合いに出しながら、キックバックされた資金の使い道について「堂々と胸を張って言えるのか」とただした。
 
世耕氏から老舗洋菓子店のクッキー缶をもらったことをつづった地元支援者のブログ(一部画像処理)

世耕氏から老舗洋菓子店のクッキー缶をもらったことをつづった地元支援者のブログ(一部画像処理)

 

世耕氏は「私が個人的に用意したクッキーを使っており、私の資金管理団体の収支とは一切関係がない」とし、「裏金」からの支出を否定した。

◆贈答品は「手土産や食事代の負担分に」

キックバックされた資金で購入していた贈答品は、「与野党の政治家との会食の際の手土産、あるいは経済界とかその他の人から食事をご馳走(ちそう)になる時に、せめてものこちら分の負担という思いで返している」とした。
クッキーをもらったとブログで明かした地元有権者には「資金管理団体で購入した贈答品は何一つ渡したことはない」と強調した。

世耕弘成氏による高級クッキーの地元有権者への寄付疑惑 自民党安倍派の世耕弘成氏の政治団体は2020~2022年、派閥からキックバック(還流)されたパーティー券収入で「贈答品」を繰り返し購入していた。世耕氏は支出先の老舗洋菓子店の高級クッキーを地元有権者の男性に贈っていたことが男性のブログで判明。ブログによると、男性は2023年11月に都内で世耕氏と会食し、高級クッキーを受け取っていた。男性は銀座のクラブで高級クッキーを振る舞い「ホステスのみんなからは今まで聞いたことのないような歓声」を受けたとし、「クッキー缶のおかげで今夜はヒーロー。世耕先生、ありがとう」などと世耕氏に感謝していた。