世耕氏に与党からブーメラン 野党時代のX投稿を公明議員が追及(2024年3月14日『毎日新聞』)

参院政治倫理審査会を終え、記者団の取材に応じる自民党の世耕弘成前参院幹事長=国会内で2024年3月14日午前11時54分、竹内幹撮影

参院政治倫理審査会を終え、記者団の取材に応じる自民党世耕弘成参院幹事長=国会内で2024年3月14日午前11時54分、竹内幹撮影

 

 14日の参院政治倫理審査会(政倫審)で、世耕弘成・前自民党参院幹事長はパーティー券収入のキックバック(還流)について「秘書に任せていたので知らなかった」などと、あいまいな説明に終始した。これに対し、公明党議員は過去のX(ツイッター)での投稿を取り上げて矛盾を追及。連立政権を組む与党から「ブーメラン」が飛んできた形だ。

世耕弘成氏が野党時代にX(ツイッター)に投稿した内容=Xの画面より
世耕弘成氏が野党時代にX(ツイッター)に投稿した内容=Xの画面より

  世耕氏は自民党が野党だった2010年1月、当時民主党の幹事長だった小沢一郎氏の資金管理団体を巡る政治資金規正法違反事件に関連し、Xで「私の事務所は初当選以来、1円単位できちんと記帳しています」とアピール。2月には「収支報告時には、貴重な限られた時間を犠牲にして、担当秘書にひとつひとつ質問しながらじっくりと確認した上で書類を提出している」と投稿した。

 この日の政倫審で、公明党竹谷とし子氏はこれらの投稿を引用。「(収支報告時の確認を)途中でやめたということか」と問い詰めた。

 これに対し、世耕氏は「それは今も続けている。(還流されたパーティー券収入が)帳簿に出てこなかったということだ。私の管理監督不行き届きに尽きる」と答えるしかなかった。

 世耕氏は10年2月には「証人喚問は当然。このような疑惑に関して自民党は過去ある程度証人喚問に応じてきましたよ」と投稿したこともある。

 証人喚問は政倫審と異なり、虚偽の発言をすれば偽証罪に問われるため、真相解明に有効とされる。

 立憲民主党蓮舫氏は、政倫審で「(世耕氏は)何の弁明に来たのか分からない。政倫審の限界を感じた」と述べ、証人喚問の要求を示唆した。【田中裕之】