5月、天皇陛下が即位後初めて皇后さまとともに岡山を訪問し、全国植樹祭に出席されます。岡山訪問には特別な思いを持たれています。担当は前川記者です。
(前川裕喜記者)
「四大行幸啓」という言葉を知っていますか。ニュースではお伝えしていますが、皇室のご公務というのは分かるのですが・・・。4大が何か…は詳しくないですね。
「行幸啓」とは、天皇陛下と皇后さまが、一緒に地方を訪問されることを言います。
森林の大切さを発信する全国植樹祭、国民スポーツ大会、全国豊かな海づくり大会、国民文化祭に合わせたご訪問を「四大行幸啓」と言います。
こうした行事は、毎年、全国持ち回りで開かれていて、国民と交流される場として欠かせないものとなっています。岡山県で5月26日に開かれるのが、この「四大行幸啓」の一つ、全国植樹祭です。
全国植樹祭のシンボル木製の地球儀です。2023年8月から岡山県内27市町村を回って、4月2日、県庁に到着しました。
(岡山県 伊原木隆太知事)
「5月26日、1日だけでなく、できるだけそれまでの間に県内各地でいろんなイベントをして実感してもらいたかったので、この木製の地球儀は、たくさん仕事をしてくれたと思う。ぜひ、この盛り上がりのままに5月26日を迎えたい」
全国植樹祭の式典は、岡山市北区のジップアリーナ岡山で行われます。アトラクションでは、美作市在住の小説家あさのあつこさんが、書き下ろした作品をもとにした演劇やダンスも。両陛下は公募で選ばれた人など約2000人を前に、樹木の「お手植え」と「お手播き」を披露し、森林保全の大切さを発信されます。
1950年から始まった行事で、岡山県での開催は1967年以来57年ぶり。天皇陛下は即位後初めての岡山ご訪問、皇后さまは初めてのご訪問となります。
・・・両陛下が県民と交流される貴重な機会なので、盛り上がりそうですね。
(前川裕喜記者)
実は「四大行幸啓」は、新型コロナの影響を受けてきました。2020年はすべてが中止となり、翌年はオンラインでのご出席となりました。全国植樹祭だけで見ると、実際に出席できるようになったのは、2023年の岩手県からです。
長年、皇室を取材するフジテレビの宮崎記者はこのように話します。
(皇室取材20年 フジテレビ 宮崎千歳記者)
「コロナ禍では交流の機会を作ろうとオンラインを取り入れられた。離島など、実際ご訪問が難しい場所に行ける。メリットを見出された一方、直接足を運んでいろいろな人とふれあうことが大切だと再確認された」
(前川裕喜記者)
両陛下は全国植樹祭の後、2018年の西日本豪雨の被災地・倉敷市真備町で、復興状況を視察し被災者と交流もされます。実は天皇陛下は歴史学の研究を続けていて、人と水の関係に関心を持たれているそうです。
(フジテレビ 宮崎千歳記者)
「災害の被災地に心を寄せて寄り添っていくことを「象徴」という立場で大切に思われているので、陛下にとって大きなこと。また、水に関する問題の研究を続けていて、水がもたらす災害の歴史を調べられているので、被害に遭った場所に足を運んで、どういうことが起きたのか確認されている。真備のまちがどう復興しているか、どういう思いで乗り越えてきたかを直接見て聞かれる機会は天皇陛下と皇后さまに大切なものとなる」
(前川裕喜記者)
一方、皇后さまは今も体調に不安を抱えられています。宮崎記者は「体調に波はあるが、出席に向けて努力を続けられている」と話していて、体調面から許される最長の日程の1泊2日でのご滞在で調整が進んでいます。岡山訪問へ強い思いを持たれる両陛下。当日の式典はユーチューブで中継が行われます。
また5月21日配信(予定)のコーナー「シンソウ」では、会場周辺の警備体制などについてお伝えします。以上、急上昇ニュースでした。