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去年11月、鹿児島県屋久島沖でアメリカ軍の輸送機オスプレイが墜落した事故を受けてアメリカ軍は、世界に配備しているオスプレイの飛行を停止する措置をとってきましたが、8日、およそ3か月ぶりにこの措置を解除すると発表しました。
飛行再開の時期については、空軍や海兵隊など軍ごとの手続きにのっとって決定されるとしています。
去年11月、鹿児島県屋久島沖でアメリカ空軍の輸送機CV22オスプレイが墜落した事故では、乗員8人全員が死亡しました。
この事故を受けて、アメリカ軍は去年12月、空軍のCV22だけでなく、海兵隊などが使用するMV22を含む世界に配備しているすべてのオスプレイの飛行停止を発表し、事故原因の調査を進めてきました。
アメリカ軍は8日、声明を出し、飛行停止の措置を解除し、飛行を許可すると発表しました。
その上で飛行再開の時期については、空軍や海兵隊など軍ごとの手続きにのっとって決定されるとしています。
今回の決定について、アメリカ軍の幹部は記者団に対し「乗員の安全を最優先し、緻密な情報分析に基づいて行われた」と述べました。
一方、事故原因については「機体の問題が事故につながった」としていますが、なぜ問題が生じたのかは解明できておらず調査を続けるとしています。
また、具体的に機体のどの部分に問題があったかなどについては「作戦の安全にかかわる」などとして、明らかにしませんでした。
さらに、飛行の安全を確保するための措置として「検査や整備の手続きを変更する」としていますが、機器や部品の交換などは行わないとしています。
在日米軍 飛行再開は日米両政府の間で緊密に調整
防衛省 手続きや準備を終えてから飛行再開
防衛省 墜落事故の原因 “特定の部品で不具合”
また今回のオスプレイの墜落事故の原因について、防衛省は、特定の部品で不具合が起きたためとしています。
防衛省によりますと、今回の事故では陸上自衛隊のオスプレイのパイロットや整備員などもアメリカ軍の担当部局と意見交換を行い、事故の状況や原因、安全対策について極めて詳細な情報提供を受けたとしています。
このうち原因については、特定の1つの部品で不具合が発生したもので、オスプレイの設計や構造自体に問題はないとしています。
部品の名称については、アメリカ軍の調査が継続しているため、明らかにできないとしていますが過去に起きたオスプレイの事故で原因となったことがあるエンジンとローターをつなぐクラッチの不具合は発生していないとしています。
安全対策については、異常を探知するシステムによる点検と機体整備の頻度を増加させ、必要があれば事故原因となった部品を交換するなどとしています。
その上で、これらの原因分析や安全対策は合理的であるとして、安全対策を講じることで陸上自衛隊のオスプレイも含めて安全に運用を再開できるという考えに至ったとしています。
一方で日本国内での飛行再開については、アメリカ軍、自衛隊ともに必要な機体の点検や搭乗員の教育、関係自治体への説明をした上で判断するとしています。