“理工系分野の「女子枠」導入 40大学に” 公益財団法人の調査(2024年3月7日『NHKニュース』)

大学で理工系分野を学ぶ女子学生の割合が少ないことが課題となる中、「女子枠」を導入した大学は少なくとも40大学に上り、多くがここ数年で導入していることが公益財団法人の調査で分かりました。

文部科学省の調査では、去年5月時点で大学生のうち、女子学生の割合は全体では46%でしたが、▽工学部では16%、▽理学部では28%にとどまり、国は理系分野での女子学生の活躍を促進しています。

こうした中、都内の公益財団法人が先月にかけインターネットなどを通じて入試の際の「女子枠」制度の導入状況を調査したところ、少なくとも40大学が理系で「女子枠」を導入し、定員数はおよそ700人分に上りました。

調査に回答した24大学のうち、昨年度以降に行われた入試から導入した大学が21大学と、最近広がりを見せていることが分かりました。

導入の結果については、女性専用の休憩スペースの新設など環境整備が進んだといった回答が複数あったほか、工学部の女子学生の割合が8年間で10%から15%まで向上したという回答もありました。

一方、「男性への逆差別だ」とか「女性だから入れたとレッテルを貼られたくない」などと、否定的な意見が寄せられたと10大学が回答しました。

調査を行った団体の大洲早生李さんは「理系に関心があっても女性が少ないと進学を躊躇(ちゅうちょ)してしまうおそれもある。性別にかかわらずやりたいことができる環境の実現にむけ、丁寧に理解を求めていくことが重要だ」と話していました。