スクープの裏に「事件屋」あり!? 盛山文科大臣と旧統一教会の関係が露見したワケ(2024年3月6日)

「盛んに揺さぶりをかけてきている。私の立場からすると弄(もてあそ)ばれている」 2月16日の閣議後会見でこう述べたのは、目下、野党から集中砲火を浴びている盛山正仁文部科学大臣である。

【写真】さまざまな情報が飛び交う国会記者会館

統一教会の問題を巡っては、文科省が昨年10月、東京地裁に宗教法人法に基づく「解散命令」を請求。2月22日には裁判所が国と教団側から意見を直接聞く「審問」の手続きが初めて行われた。

そんな状況下で選挙時の教団とのつながりを示す「写真」や「推薦状」が次々と暴露され、批判の矢面に立たされている盛山氏が漏らしたのが冒頭の一言だったわけである。 渦中の大臣が発した「開き直り」とも捉えられかねない発言ではある。

ただ、その言葉が発せられた背景には、一連のスキャンダルが噴出した事情も関係しているようだ。 あるメディア関係者は、いわくつきの宗教団体との関係をめぐって、盛山氏が炎上するに至った経緯をこう振り返る。

「盛山文科大臣の旧統一教会との関係が最初に報じられたのは2月6日。朝日新聞が2021年10月の衆院選の公示直前に、旧統一教会系の関連団体である『世界平和連合』が主催した会合に出席し、『推薦確認書』を受けていたことが写真付きで報じられました。

これ以降、朝日が次々と独自ネタを報じ、週刊誌やテレビも、次々と盛山氏と旧統一教会との関係を伝える続報を伝えるなど、報道が一気に加熱していきました」(メディア関係者) 盛山氏が選挙直前に旧統一教会側から受け取ったとされる「推薦確認書」は、選挙での支援と引き換えに憲法改正など旧統一教会が求める政策への合意を求める文書で事実上の政策協定でもある。 盛山氏が文科相の任に就いたのは、岸田首相が第2次内閣発足後、二度目の内閣改造に踏み切った2023年9月。

その頃には、文科省による旧統一教会への解散命令請求に向けた方針はすでに固まっていた。

とはいえ、政権与党の一員であり、宗教法人の生殺与奪を握る〝お目付役〟の立場を得た者として、政策を歪める恐れのある文書を受け取るという行為については、「軽率」との誹(そし)りを免れるものではない。

■他社にも持ち込まれていた情報

そんな盛山氏が追及されることになった朝日のスクープだが、他のメディアも同様の情報を掴んでいた可能性があるという。前出のメディア関係者が話す。

「盛山さんが追及されることになった旧統一教会との接点を示すネタを、ある人物が複数のメディアに持ち込んでいたようです。この人物は、政界や芸能界に独自のコネクションを持ち、警察やヤクザにも顔が利く大物で、長く事件屋として暗躍している人物です。

教団の本拠地がある韓国にもパイプがあり、そこから持ち込まれた情報が各メディアに回ったとの話です。文科省からの解散命令によって、宗教法人格を失う瀬戸際に追い込まれた教団からすれば、岸田政権は不倶戴天の敵。意趣返しの機会を狙っている中で、メディアへの情報リークを仕掛ける事件屋と利害が一致したというわけです」(前出のメディア関係者)

■スクープの裏で暗躍するタレコミ屋

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