能登半島地震の被災地を支援しようと、石川県奥能登地域の酒造りや揚げ浜式製塩に迫ったドキュメンタリー映画のチャリティー上映会が、国内外に広がっている。製作などで10年間、能登に通った石井かほり監督(45)=東京都=が呼びかけ、これまでに150カ所以上で上映会が開かれた。石井さんは「能登は第2のふるさと。力になりたい」と恩返しのため奔走する。(井上京佳)
映画は、珠洲(すず)市の揚げ浜式製塩に携わる人を撮影した「ひとにぎりの塩」(2011年)と、日本四大杜氏(とうじ)の一つの能登杜氏の酒造りを捉えた「一献の系譜」(15年)。いずれも石井さんが監督を務めた。
◆監督の呼びかけに問い合わせが殺到
地震発生当日の1月1日、石井さんは「映画が息の長い応援のツールになれば」とフェイスブックでチャリティー上映会を呼びかけた。通常、上映会の主催者には1回3万円でDVDを貸し出しているが、チャリティー上映会では、入場料や会場で集めた義援金を能登半島地震の支援に充てることを条件に格安で販売し、何度でも上映できるようにした。
呼びかけには問い合わせが殺到し、2月22日時点で152カ所で上映会が企画された。開催地は国内にとどまらず、ニューヨークや中国、イタリア、イギリスなど海外にも広がる。