「人として、この法律はダメ」「命守りたい」改正入管法反対の声を込めたプラカード・横断幕200点 30日から展示(2024年4月29日『東京新聞』)

 難民を強制送還により命の危機に直面させる恐れのある改正入管難民法入管法)。6月10日の全面施行を前に、反対デモで市民らが掲げたプラカードや横断幕など約200点を展示する作品展「命を守れ」が30日から3日間、東京・永田町の衆議院第2議員会館で開かれる。昨年6月の同法成立後もデモを続ける市民有志が、プラカードに込めた「市民の声」を結集し、反対や廃止をあらためてアピールする。(飯田克志)
 
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入管法改悪反対」など「市民の声」が記されたプラカードを持つ市民有志ら=東京都渋谷区で
 
◆デザインにも市民の個性にじむ
 
 「#入管法改悪は やったらあかん」の文字をあしらい「NO」と書かれたプラカードを持つネコ、黒地にピンクと白で強調された「強制送還」「やめろ」の文字―。多くの人にとって身近ではない入管法だが、いろいろなデザインからは、改正法に反対するさまざまな立場の人の姿が浮かび上がる。
 有志の一人でプラカードも作る会社員新妻基行さん(53)=千葉県市川市=も「それぞれの趣味や嗜好(しこう)が取り入れられていて、個性が出ている」と抗議の多様さを実感する。
 
◆強制送還される難民が増える恐れ
 
 しかし、同法の全面施行は目前に迫る。これ以降、政府は難民認定3回目以降の申請者を強制送還できるようになる。日本は欧米より桁違いに難民認定率が低く、申請3回目の不認定を取り消し、難民認定を命じた判決も出ている。強制送還され、命の危険にさらされる難民はこれまでより増える可能性が高い。
 市民有志は現実化する難民の危機を懸念。日本語教師の佐久間雅子さん(53)=東京都新宿区=が、市民はプラカードを通じて「『命を大切にしよう』『人としてこの法律はだめだ』とぶれずに訴えている」と発信しようと、今回の展示を提案した。新妻さんらも「何もしないわけにはいかない」「(申請者ら)当事者も見ている」と賛同。交流サイト(SNS)などでデモ参加者らに連絡を取り、これまでに使われたプラカードや横断幕、のぼり旗を集めた。反対活動の写真も100点展示する。
 
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2023年6月の国会前の入管法改正反対の抗議集会で掲げられたプラカード=東京都千代田区
 
 佐久間さんは「いろいろな市民の声があるので自分の視点で見て考え、関心を持ってほしい」と話す。
 会場は衆議院第2議員会館1階多目的会議室。無料。日時は、
4月30日(火)13:00-19:30
5月1日(水)11:00-19:30
5月2日(木)11:00-17:00
問い合わせは市民有志のメール(20231112nyukandemo@gmail.com)へ。