当選を確実にし、支援者らと万歳して喜ぶ亀井さん(中央)(28日午後8時5分、松江市で)=東直哉撮影
28日に投開票された衆院島根1区補欠選挙で、立憲民主党公認で前衆院議員の亀井亜紀子さん(58)が、自民党公認で新人の錦織功政さん(55)(公明党推薦)を下し、2回目の当選を果たした。「政治とカネ」の問題が最大の争点で、亀井さんは自民への批判票を取り込み、自民が独占してきた島根県内の小選挙区の議席を初めて獲得した。当日有権者数は26万1190人。投票率は県内が2選挙区になった2003年以降、最低の54・62%。
午後8時過ぎ、当選確実が報じられ、松江市内の会場に姿を見せた亀井さんは、「『自民党にお灸(きゅう)を据えたい』や『何とかしてください』という切実な1票もある。皆さんと一緒に新しい(政治の)流れを作っていきたい」と支援者に力強く語った。
島根1区での選挙戦は3度目となった亀井さん。2021年の衆院選は比例復活も果たせなかった。昨年4月から各地で計60回のミニ集会を開き、700人以上の住民らと膝詰めで地域課題について議論してきた。
今回は衆院3補選で唯一の与野党対決となり、泉代表や岡田幹事長ら党幹部が続々と島根入り。亀井さんと街頭に立ち、自民党派閥による政治資金規正法違反事件について批判し続けた。松江市で27日にあった「最後のお願い」に駆けつけた泉代表は、3月以降で6回に及んだという。
亀井さんは事件の批判については党幹部ら応援組に任せ、衆参通算10年の議員経験をアピール。ミニ集会で感じた人口減少や公共交通、人手不足など地域課題の解決を訴えた。また、遊説ルートには、ミニ集会を開いたなじみ深い会場を優先し、有権者の声を聞き続けた「浪人時代」の集大成となる選挙運動を展開した。