読売新聞社は28日、衆院3補欠選挙で投票を終えた有権者を対象に出口調査を実施した。島根1区では、「政治とカネ」による自民党への逆風の影響が浮き彫りになった。東京15区では、候補擁立を見送った自民の支持層の票が各候補に分散する一方、無党派層の支持は立憲民主党の候補が最も多く集めた。
島根1区
投票の際に自民派閥の政治資金規正法違反事件を判断材料にしたかどうかを聞く質問では、約7割が「材料にした」と答えた。このうち立民の亀井亜紀子氏に投票した人が75%に上り、自民の錦織功政氏の24%を大きく上回った。
岸田内閣を支持すると答えた人は30%だった。このうち錦織氏に投票した人は7割超で、2割超は亀井氏に流れた。内閣を支持しないと答えたのは67%で、亀井氏は内閣不支持層の約8割を固めた。
東京15区
自民党を支持すると答えた人は19%だった。自民支持層の動向を分析すると、日本維新の会の金沢結衣氏に2割超、無所属の須藤元気氏に2割、無所属の秋元司氏に2割弱、諸派の政治団体「日本保守党」の飯山陽氏に1割強が投票しており、「自民票」は特定の候補者には集まらなかったことが分かる。
一方、無党派層の投票先では、立民の酒井菜摘氏が3割弱の支持を集め、須藤氏の2割超、飯山氏の1割超が続いた。
小池百合子・東京都知事を支持すると答えた人は52%だった。ただ、このうち、小池氏が支援した無所属の乙武洋匡氏に投票した人は1割強にとどまり、小池氏支持層の中でも酒井氏に投票した人が2割超と最も多かった。
乙武氏は、小池氏支持層を固められなかったようだ。
長崎3区
自民候補不在の中、維新は「自民票」に照準を定めて選挙戦を展開したが、自民支持層で維新の井上翔一朗氏に投票したのは4割弱で、5割超を取り込んだ山田氏を下回った。