衆院政倫審【速報予定 14:00~】岸田首相 武田元総務相 出席へ(2024年2月29日『NHKニュース』)

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受けて、29日午後2時から衆議院政治倫理審査会が開かれ、岸田総理大臣が現職の総理大臣として初めて出席します。岸田総理大臣が丁寧な説明を行い国民の信頼回復につなげたい考えなのに対し、野党側は自民党総裁としての責任を厳しく追及する方針です。
午後2時から予定されている衆議院政治倫理審査会の最新情報をお伝えしていきます。

現職首相の出席は初 報道機関に公開して開催

今回の問題を受けた衆議院政治倫理審査会は、岸田総理大臣がみずから出席する意向を表明し、審査を申し出た結果、29日と3月1日の2日間、安倍派と二階派の事務総長を務めた5人を含め、報道機関に公開する形で開かれます。
初日の29日はこのあと午後2時から始まり、岸田総理大臣と二階派の武田・元総務大臣の2人が出席します。
審査会に現職の総理大臣が出席するのは初めてで、岸田総理大臣は丁寧な説明を行い国民の信頼回復につなげたい考えです。
官房長官は午前の記者会見で「岸田総理大臣は自民党総裁として政治資金をめぐる国民の厳しい目や疑念を踏まえ 説明を尽くすものと考えている」と述べました。
これに対し、野党側は自民党総裁としての責任を厳しく追及する方針です。
立憲民主党の長妻政務調査会長は、記者会見で「予算委員会と同じ答弁であれば 逆に国民の批判は高まる。新たな事実や中身をきちんと話すか否かが岸田総理大臣の正念場だ」と述べました。
岸田総理大臣と5人の議員が審査会で国民の納得が得られる説明を果たせるかどうかが焦点となります。

《各党反応(29日)》

 

官房長官「疑念踏まえ 説明を尽くすものと考えている」

 

官房長官は、29日午前の記者会見で「政治倫理審査会での議論について予断を持ってコメントすることは控えるが、岸田総理大臣は自民党総裁として政治資金をめぐる国民の厳しい目や疑念を踏まえ 説明を尽くすものと考えている」と述べました。

立民 長妻政調会長「同じ答弁なら国民の批判高まる」

 

立憲民主党の長妻政務調査会長は記者会見で「岸田総理大臣が呼ばれもしないのに審査会に出る『道連れ作戦』をしないと公開の場に出ない自民党中枢の面々はいったい何を考えているのか。岸田総理大臣も予算委員会と同じ答弁であれば逆に国民の批判は高まる。新たな事実や中身をきちんと話すか否かが岸田総理大臣の正念場だ。インチキなのか一定程度、誠実に説明するかの分岐点になる」と述べました。また、与党側が新年度予算案を週内に衆議院を通過させたいとしていることについて「きょうとあすは審査会が開かれ、これはいち国会議員の話ではなく、政治全体の話だ。審査会の答弁ぶりを見極めるのが前提であり、採決は拙速すぎる」と述べました。

公明 山口代表「信頼回復に結びつくようなやり取り期待」

 

公明党の山口代表は党の中央幹事会で「何のために審査会を開くのかを踏まえ、政治の信頼回復に結びつくような弁明ややり取りを期待したい。また、新年度予算案については、能登半島地震に対応するための措置も含まれているので、与野党合意の上で自然成立が確保できるよう衆議院での可決をやり遂げていただきたい」と述べました。

教育 前原代表「不十分なら参考人招致や証人喚問を」

 

教育無償化を実現する会の前原代表は記者会見で「リーダーシップをとらず各派閥で説明するよう繰り返し求めていた岸田総理大臣が、この期に及んで政治倫理審査会に出席するのは唐突で、違和感を持たれてもしかたがない。全員が公開の場で審査会が開催されるのはよかったが、中身が足りなければ、参考人招致や証人喚問をして国民目線で説明責任を果たすことが大事だ」と述べました。

《29日の予定》

衆議院政治倫理審査会は29日と1日の2日間開かれ、初日の29日は、岸田総理大臣と二階派の事務総長を務めた武田・元総務大臣が出席します。

【1人あたりの時間:1時間20分】

▽議員本人の弁明:15分

▽各党の委員による質疑:1時間5分

▽14:00 審査会が開会
冒頭、議員の傍聴や報道機関の撮影を許可する手続きなどを行ったあといったん休憩に入り、傍聴する議員と報道関係者が部屋に入ります。

▽14時10分ごろに再開
岸田総理大臣の弁明に続いて
自民党が15分
立憲民主党が22分
日本維新の会が10分
公明党が10分
共産党が8分の持ち時間で質疑
▽質疑は15時半ごろに終わる見込み
審査会は再び10分間の休憩に入り、岸田総理大臣に替わって武田氏が部屋に入ります。
▽再開後は、岸田総理大臣の時と同じ流れで、武田氏の弁明と各党の質疑が行われ、17時ごろに29日の審査が終わると見込まれています。

《3月1日の予定》

9時に開会
▼午前中:▽西村・前経済産業大臣と▽松野・前官房長官
▼午後:▽塩谷・元文部科学大臣と▽高木・前国会対策委員長が、
それぞれ出席し、本人による弁明と質疑が行われます。

政治倫理審査会とは

政治倫理審査会は、議員が政治倫理に関する規範に著しく違反して、政治的、道義的に責任があるかどうかを審査する場で、衆参両院に設けられています。委員が審査の申し立てをするか、疑惑を受けた議員本人が審査を申し出ることで開かれます。
審査は原則非公開で、議員本人が認めれば、議員や報道関係者の傍聴が可能になります。また、審査会での発言は、証人喚問とは異なり虚偽の証言をした場合でも偽証罪に問われることはありません。
今回は、安倍派と二階派の5人の事務総長経験者、それに、岸田総理大臣からの申し出を受けて行われます。審査会に現職の総理大臣が出席するのは初めてです。当初、申し出た5人が原則どおり非公開を希望したのに対し、野党側が公開を求めて折り合いがつかず、岸田総理大臣の申し出を受けて改めて協議した結果、報道機関にも公開する形で開催されることになりました。
一方、審査の結果、政治的、道義的に責任があると認めたときは、審査会として一定期間の登院自粛などを議員に勧告できることになっていますが、過去に勧告を受けた議員はいません。