もろさわようこさん死去、99歳 女性史研究家、差別の歴史分析(2024年2月29日『共同通信』)

 取材に答えるもろさわようこさん=2022年4月、川崎市

 取材に答えるもろさわようこさん=2022年4月、川崎市

 女性差別の歴史に関する著作などで知られる女性史研究家、もろさわようこ(本名両沢葉子=もろさわ・ようこ)さんが29日未明、間質性肺炎のため川崎市で死去した。99歳。長野県出身。
 2006年に結腸がんが見つかり手術、療養していた。
 独学で勉強した後、長野県の地方紙記者、紡績工場の学校教師などを経て、女性運動家の市川房枝が主催する婦人問題研究所員となり「婦人展望」の中心的な編集者として活躍した。
 日本の女性差別などを分析し、1965年「おんなの歴史」を発表。「信濃のおんな」(69年)で毎日出版文化賞受賞。

古代から現代にいたるまで苦難に満ちた時代のダンジョンに生きてきた濃いおんなたちの生涯を追求し、日本女性史研究に新たな照明をあてたの心作。
 

フェミニズム必読書!女性史研究先駆者の代表作を新編集。 「おんなの攻略史」の項では戦時中に女性たちが進んで戦争協力を行ったことを運動の起点とし、戦後婦人、70年代ウーマン・リブの出現等。他の項では、古代の母権考から、米恐怖、婦人労働者等について。平塚らいてうらの人物伝も。96歳の著者の書き下ろし録りも収録。
 

女性史研究家 もろさわようこさん死去(2024年2月29日)