自身の視野や選択肢が豊かになる奥深い手話を学ぶ 鳴門教育大学手話サークル ぱぴぷぺぽ 【キャンパスdiary】(2024年2月26日『徳島新聞』)

 

 約25年前に設立した「手話サークル ぱぴぷぺぽ」。現在は、入学前から手話に興味があったという部長の井関大徳(まさのり)さんを中心に、計8名のメンバーが所属している。

 活動日は毎週木曜の18時から20時。今日あった出来事を手話で報告し合い、例文に倣って趣味や好きな事を伝えたり、しりとりをしたりと楽しみながら知見を深める。分からない単語があれば基本的には手話辞典で調べるが、最近の言葉やキャラクター名など辞典にないものは動画サイトを活用する。

 手話を日頃から使用している耳の不自由な方が講師として指導に訪れることもある。「手話の動きを教わるだけではなく、『耳の不自由な方は口の動きや表情など手以外の部分も見ている』といったことまで教えていただき、毎回表情も気をつけています」と井関さん。

 ほかにも、毎年3月に徳島市で行われる「あったかハートつながり隊・ひろがり隊交流研修会」に参加し、他校のサークルや団体と自分たちの活動を発表し合ったり、文化祭では手話を使ったクイズの模擬店を出すなどさまざまな活動を行う。

 最近入部したという冨田崚介さんは「手話は知れば知るほど奥が深くて面白いので、もっともっと知りたくなります」と魅力を話す。井関さんと同じく3年生で特別支援教育専修の岩木夏実さんは「手話を習得することで、自分自身の視野と選択肢が広がります。授業を受ける中でこんな時にはこんな手話が使えるな、と気づけたり、手話を使った授業を考えられたり」とサークルに所属する意義を語る。

 そして「手話も一つのコミュニケーションの手段としていろんな人に興味を持ってもらえたら」という井関さんの言葉にメンバーは頷き合う。今後は「学外のボランティア活動に参加したり、秋から冬にかけて行われる全国手話検定試験に挑戦したい!」と前進への意欲は尽きない。

2人1組で手話を使って対話。言いたいことを声に出しながら手を動かす。