帝国劇場バリアフリー化求め署名 障害者や支援者2万1千人(2024年5月10日『共同通信』)

署名提出後、記者会見で手話を使って話す廣川麻子さん(左)ら市民団体のメンバー=10日午後、東京都千代田区

 日本を代表する観劇ホール「帝国劇場」(東京都千代田区)が来年休館し、建て替えられる計画を巡り、障害のある観劇ファンや支援者らが10日、障害者も舞台鑑賞を楽しめるようバリアフリー化を求める約2万1千人の署名を運営会社の東宝に提出した。

 署名を集めたのは市民団体「We Need Accessible Theatre!」。例えば視覚障害者でも音声ガイド、聴覚障害者でも字幕などがあれば観劇を楽しむことができる。署名呼びかけ人の1人で聴覚障害がある廣川麻子さんは「帝劇という伝統ある劇場で要望を実現してもらえたら、全国の劇場にモデルとして広がっていくのではないか」と期待を語った。 

この署名で変えたいこと

署名の発信者 We Need Accessible Theatre !

はじめまして。私たち 「We Need Accessible Theatre!(ウィー・ニード・アクセシブル・シアター)」は舞台ファン、舞台関係者、手話通訳、文字通訳、音声ガイド制作者 等が集まっているグループです。
普段は個々に活動をしていますが、帝国劇場の建て替えに関する報道をきっかけに連帯するようになりました。
「Accessible(アクセシブル)」という言葉は、行きやすい、利用しやすいという意味です。劇場を障害の有無にかかわらず誰もが行きやすく、楽しめる場所に、という思いを込めてこの署名活動を立ち上げました。

この署名活動は、帝国劇場を運営する東宝株式会社と、国(文化庁国土交通省厚生労働省経済産業省内閣府)に対して、以下の対応を要望しています。

1.東宝株式会社は2025年の帝国劇場建て替えに際し、観劇経験のある障害当事者の声を聞き、みんなで楽しめる劇場を作ってください

2.国は障害​がある観客も舞台芸術を楽しめるよう、劇場のアクセシビリティに関連する横断的な法令の整備と、具体的な指針を示してください。
また、観劇サポートを実施するための費用等の助成や支援を増強してください

私たちには、特定の劇場を批判する意図はありません。
日本で最高峰のエンターテインメントの殿堂がアクセシブルな劇場に生まれ変わってくれたなら、きっとその後にたくさんの劇場が続いていってくれる。誰もが劇場で喜びや感動を共有できるようになる。
そんな象徴的な意味と大きな期待を込めています。

また、多くの劇場が障害の有無にかかわらず誰もが楽しめる場となるためには、国による法令の整備や指針の策定、助成は欠かせません。

素晴らしい作品を観て、皆と一緒に笑い、涙した経験は、いつまでも思い出として残り、明日への希望や生きる糧となります。誰もが劇場で喜びや感動を享受できるよう、皆様の力を貸して下さい。どうぞよろしくお願いいたします!【手話動画】
活動の趣旨について手話で説明しています。
字幕・音声ガイド付き。

手話表現:長井恵里
音声ガイド:美月めぐみ