不安残る日米首脳会談 にこやかに両首脳は握手できるか(2024年2月22日『日刊スポーツ』-「政界地獄耳」)

20日米大統領選の共和党候補指名を目指すヘイリー元国連大使は知事を務めた地元サウスカロライナ州で演説し、選挙戦継続を表明した。ヘイリーは「われわれには選挙がある。だからやめない」「サウスカロライナは24日に投票するが、25日になっても私は選挙戦を続けている。どこにも行かない」とし、「トランプの報復を恐れない」と語った。3月5日の「スーパーチューズデー」が正念場だろう。

★“その後”に懸念を示すのは、米国情報につとに詳しい「溜池通信」だ。「ただしこの先を考えると不安は尽きない。今後、バイデン氏が『心変わりする』、あるいは健康問題などで出馬を取りやめた場合、果たして『代理』が間に合うのかどうか。1968年の米大統領選挙では、ベトナム戦争の悪化を受けて現職のリンドン・ジョンソンが3月に出馬を取りやめた。夏のシカゴの党大会では、大混乱の下でヒューバート・ハンフリー副大統領を選出したが、共和党リチャード・ニクソンに敗れてしまう」となれば、共和党のトランプ復帰の流れは堅いか。

★1月20日朝日新聞で元駐米大使館公使(政務担当)、元駐インドネシア大使などを歴任した石井正文が「ウクライナ停戦戦略」を提言している。「トランプ氏という『劇薬』を使ってでもこの戦争は止めた方がいい。そうでなければ停戦のきっかけを失い、長期にわたって戦争が続き、結局、ロシアが有利になる恐れがあります」「3月にプーチン大統領が再選されると、5月に就任式があり、もしトランプ氏が出席すれば、当選後の米国の『対ウクライナ支援の停止』を打ち出すかもしれない。各国が調整しておかないと混乱を招きます」。プーチン再選直後に多分その流れはトランプによって加速されるだろう。バイデンの出馬取りやめとウクライナ支援停止は米国と欧州に大混乱を巻き起こす。本来ならスーパーチューズデーの頃に予定されていた日米首脳会談は4月10日に延びているが、果たして両首脳はにこやかに握手できるだろうか。(K)