「老害」。この言葉の意味を知っていますか?辞書では、指導的立場にある高齢者の「硬直した考え方で組織の活力が失われること」とされています。この「老害」という言葉について放送作家の鈴木おさむさんがXに投稿した内容が話題となっています。
■32年間続けた放送作家を辞める鈴木おさむさん「老害」がキッカケに
【鈴木おさむさん】「上のプライドを傷つけず、下の意見をうまいことまとめたつもりでも、下の世代から見たら、その行動が老害に見えてたりするということに気づき、それをソフト老害と名付けました」 ことし52歳となる鈴木さんは、先月発売した著書「仕事の辞め方」で自分が「ソフト老害」と気づいたきっかけを記しています。 ある番組会議で鈴木さんが意見を出したところ、番組の構成が変わり若手ディレクターが準備していた映像がカットされたことがあったそうです。 後に、その苦い経験をディレクターから聞き、自分の一言によって若者たちが必死に考えてきたことを妨害する、「老害」になっていたと気づいたというのです。 これをキッカケの一つとして32年間続けた放送作家の仕事を来月辞めると決意しました。
【著書「仕事の辞め方」より】「大切なのは40代でも行動次第では老害なんだという考えを世の中に広めることなのではないかと思い、僕はこれを書いています」
■「『お前の気持ちわかるよ』が的外れなのはしょっちゅうある」
街でも若い人が感じる、30代・40代の老害について聞いてみると…。
【10代】「バイトで、『そのメイクどうなん』みたいな…。(ルールなどで)定められてないところで自分がどういうメイクするかは別に自由でいいんじゃないかなと思ったんですけど」「あれかな?一方的なありがた迷惑のイメージある」「善意だよね」
【20代】「年齢が近いからこそ親身になってる感出して、口出してくるケースは感じます。『お前の気持ちわかるよ』で的外れなのはしょっちゅうある気がしますね」
【30代】「めっちゃ言ってるかもしれん」「思っても言わないようにしてる。(アドバイスを)あんまり聞き入れないかなって」「また言ってきた、じゃないけど」
■若手に指摘するときはポジティブワードを織り交ぜて
30代の若い上司からの”老害”などによって、仕事を辞めた人もいます。建築関係のメーカーに勤めていた後藤さんは…。
【SNSマーケター・後藤迅斗さん】「一番最初にあったのが『若いからガッツを見せてくれ』みたいなことを言われたことがあって。もっと長時間働けるというか、覇気を出してくれという感じかな。自分の中でおかしいと思いながらも、やっぱり先輩のいうことだから逆らえないなと受け入れて。その葛藤で悩んだ時期はあります」 後藤さんは仕事を辞めてからは、自分らしく働くための方法などをSNSで発信しています。
「老害」となってしまわないよう、どんなことに注意すべきなのか聞いてみると… 【SNSマーケター・後藤迅斗さん】「指摘したい、注意したいことはあると思うんですけど、そういう時はなるべくポジティブなワードを含めるというか、『こうすればもっと良くなるんじゃないか』とか前向きな言葉にすると、トゲがなくなっていいかな」 「老害」はもはや、高齢者だけでなく、30代・40代も意識すべき問題のようです。
(関西テレビ「newsランナー」2月12日放送)