〈「文春は“ネット生贄ショー”の旗振り役だ」箕輪厚介氏が「松本人志問題」から感じた、もっとも恐ろしい“事実”〉 から続く
「週刊文春1月4日・11日号」に第一報 「《呼び出された複数の女性が告発》ダウンタウン・松本人志(60)と恐怖の一夜「俺の子ども産めや!」 が掲載されてから、大きな反響と議論を呼んでいるダウンタウン・松本人志(60)をめぐる問題。
一連の報道、松本本人の言動、メディアや世間の反応について、各界の識者たちはどうみていたのか――。
「週刊文春」で2週にわたって掲載された特集「松本問題『私はこう考える』」を公開する。 松本人志が権勢をふるってきたテレビ業界では、どう受け止められているのか。アメリカ人放送プロデューサーでタレントのデーブ・スペクター氏は「あまり茶化せない空気ですね」と明かす。 ◆ ◆ ◆
松本さん自身がスキャンダルの種を蒔き散らしている
「松本、アウト~!」って、本当は言いたい。でも単純な議論ではなくて、難しい問題ですよ。「女性の尊厳」という話になっちゃうから、テレビでも、コメンテーターたちは当たり障りのないことしか言えてないですね。
一連の記事の通りだとすれば、たしかに松本さんの飲み方は品が無くて最低。松本さんは後輩たちの「システム」に乗っかったんでしょうね。でも、あんまりにも完成されたシステムだから、もしかしたら松本さん以前から芸人の間で続いていたものかもしれない。男ってどうしようもないから、平安時代でも江戸時代でも、女性を蔑視するような遊びとか「上納」っていうのはあった。
記事にある通り、一般の方にこだわっていたとすれば、いつかはトラブルになりますよ。これはもうロシアンルーレットでしょ。女性によって、価値観やポリシーが違うから、あんなに大々的に遊んでいれば、誰かとトラブルになるのは当たり前。松本さん自身がスキャンダルの種を蒔き散らしていたんですよ。
文春側にもちょっとやり過ぎ感が
それに松本さんは初動で失敗したよね。最初に強硬な姿勢をとることなく、「松本アウト~」って自分で言えれば、スポンサー離れも止まったかもしれない。
たとえば会見を開いて、司会はキャンドル・ジュンさんで(笑)。飲み会について覚えていなかったとしても、真面目に「楽しく飲んでいましたけど、途中で僕が野獣に変わってしまいました」と謝罪していたら、全然流れは違ったかもしれないですよ。会見翌日に、四国のお遍路に行ってみたりとかね。
#MeTooに乗っかり過ぎ
でも一方で、文春側にもちょっとやり過ぎ感がある。叩き過ぎじゃない? っていう見方がテレビ業界の中にはあります。だって最初は性的行為の強制とか、不同意の話だって思いましたよね。仮にそうなら大問題だし、誰も否定しない。でも飲み方が最低っていう話なら、また違ってくる。
そもそもお笑い芸人の飲み会なんだから、世界情勢を語る場じゃないってことは、参加した女性もわかっているはずでしょう。
第1報で女性が告発した強制性は裁判で争われると思うけど、他の要素は、あくまで松本さんの人格を疑わせる補足的な要素でしょう。これまでの記事全てが「性的行為の強制」みたいな印象を与えていて、#MeTooに乗っかり過ぎかなって感じます。
文春の記事はまだ物足りない要素がある
それでも僕は文春大好き。毎週水曜(正午)の電子版の配信をカウントダウンしてるくらい。だからこそ、あえてもう1つ業界の見方をお伝えすると、記事全体にちょっと薄い靄がかかっているように受け取られているんです。 アメリカのクリントン元大統領がホワイトハウスでオーラルセックスをしていた報道では、女性のドレスが残っているんですよ。それは完全な証拠ですよね。それに比べて、文春の記事はまだ物足りない。
信憑性がないわけではないけど、活字媒体だからか、具体的なイメージが湧かない。写真は少し載っていたけど、たとえば動画とか、取材の様子がわかるものも提示してほしいよね。
◆ ◆ ◆ 2月14日(水)12時配信の 「週刊文春 電子版」 および2月15日(木)発売の 「週刊文春」 では、お笑い界に革命をもたらした男が、なぜ女性たちから告発されるに至ったか――その道程を尼崎、心斎橋、六本木と総力取材で追った 「《実録・松本人志》なぜ『笑いの天才』は『裸の王様』になったか」 を掲載している。 さらに、 「週刊文春 電子版」 では橋下徹氏、箕輪厚介氏、江川紹子氏ら計8人の論者による 「松本問題『私はこう考える』」 を配信している。 「週刊文春は便所紙になるのか」橋下徹氏が、松本人志報道で投げかける“問い”とは へ続く