鬼の岸田含め31人、渡航費用12.6億の最終攻撃…「世間ズレ」腐敗の根本を断てない政治、弁護士の指摘「ふざけるのは大概にせい」(2024年5月9日)

自民党のなんちゃら裏金対策にNOをつきつけた衆院補選

あまりにも世間とのギャップがひろがりすぎた

そもそも日本の国会議員は世界3位の高給取り

「政治は金がかかる」のら地元にバラ撒くため

なんでパーティー券を非課税にする必要があるのか

 それにしても、ふざけるのは大概にせいといいたい。政治にはカネがかかるというが、民間企業だってカネがかかるのだ。外国からの賓客をもてなすというが、民間企業並みの接待で十分だ。いずれにしろ、そんなわけのわからないお金は自分のお金で出すべきだ。私たちの税金で支出すべきではない。先述の野澤弁護士は、こう見解を示す。

「政治は、公務と私生活では割り切れないグレーな活動範囲が広く、このグレーな部分にいかに対処するかという問題は民主主義最大の難問です。解決策の一つは、ワークライフバランスの観点から個人競争・家族競争ではなく政党間競争を前提に公費範囲を拡大させプライベートな部分を切り離すことで、政治家を地元の冠婚葬祭・飲み会への参加や利益誘導・あっせん関連の仕事から解放し女性の政治参加を進めるヨーロッパ、特に北欧のスタイルで、新聞やテレビなどで理想モデルとしてよく紹介されていますが、政治風土が違う日本ですぐ適用するのは困難です。もう一つは、自助努力でかき集めた巨額マネーが大統領選挙などで動くことを前提に情報公開を進めるやり方、グレーな部分を少しでも透明化するアメリカ型で、今の日本ではこちらの方が現実的だと思われます。とはいえ、政治家に活動資金を提供することが『悪代官に賄賂を渡している』と疑われがちな日本では、スポンサーサイドが自己の情報ができる限り出ないことを望んでいる以上、公開対象をどうするか、公開基準をいくらにするかは熾烈な政党間駆け引きを経て決定されることになるでしょう」

腐敗が当たり前になってしまう『腐敗の罠』にはまっている
 先の3人の議員たちの証言を踏まえれば、選挙区にばら撒くだけばら撒いて腐敗した現職政治家と新人候補との争いでは、圧倒的に新人候補が不利ということになる。選挙制度は、不自然なぐらいに、お金を使うことに厳しいルールづけをする一方で、選挙期間に至る過程で現職政治家が腐敗を続けることができてしまう。官僚や利害関係者を高価な飲食店で接待し、許認可や公共事業における情報の優位性を確立していくわけだ。この点について、先行研究である『政治腐敗の罠』(Marko Klasnja氏ら「Political Corruption Traps*」2016年、ケンブリッジ大学)は、このように指摘している。

政治学者や政策立案者は、政治の制度的な腐敗には深刻なコストが伴うことを認識している。しかし、多くの国や地域は頑固にも、腐敗が当たり前になってしまう『腐敗の罠』にはまっている。ほとんどの既存の理論は、一定の官僚や政治家の間で腐敗行為への期待がお互いに強化しあっている」

自分の影響力を高めようとすることで、腐敗が増えていく

小倉健一

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