フジテレビ,政治部
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「記憶がない」と繰り返すだけでは、担当閣僚として説明責任を果たしたとは言い難い。
盛山正仁文部科学相が2021年衆院選の際、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の友好団体から支援を受けたと朝日新聞が報じた。団体からの推薦状を手にする盛山氏の写真も掲載された。
衆院予算委員会で盛山氏は「写真があるのであれば、推薦状を受け取ったのではないかと思う」と述べ、報道を事実上認めた。
信者からの高額献金などのトラブルが問題となっていた教団を巡っては、22年7月の安倍晋三元首相の銃撃事件後、政治家との関わりがクローズアップされた。自民党議員が選挙支援を受けたり、イベントに出席したりすることで、教団の活動にお墨付きを与えたと指摘される。
自民は教団との「関係を絶つ」方針を示し、所属議員との接点について22年9月に点検結果を発表した。盛山氏は調査に対し、関連団体の会合で1度あいさつしただけだと回答していた。
選挙支援について盛山氏は「記憶がなかったので党に報告をしていなかった」と弁明した。だが、調査後に新事実が出てくるようでは、信用することはできない。
昨秋の内閣改造で文科相として初入閣したが、立憲民主党の岡田克也幹事長は「首相の判断で更迭も含めて考えるべきだ」と語った。
岸田文雄首相は「過去の関係いかんに関わらず、現在は関係を一切有していない」と述べ、続投させる考えを示した。
だが、政治家の中でも国政を担う閣僚には、高い倫理観が求められる。疑念を抱かれるような振る舞いは慎まなければならない。
内閣の信頼に関わる問題である。自民派閥の裏金事件で国民の政治不信は極まっている。教団との関係を清算するには、各議員とのつながりを再調査することが不可欠だ。