玉木代表「私はできの悪い党首」…女性問題で国民民主党に失速感も交代求める声ほとんど出ず(2024年11月11日『読売新聞』)

キャプチャ
国民民主党両院議員総会で女性問題について説明する玉木代表(11日、国会内で)=大石健登撮影
 国民民主党内で、玉木代表の女性問題による党のイメージダウンに危機感が広がっている。玉木氏に代わる「党の顔」もおらず、党内では代表続投を容認する空気が強いが、衆院選で躍進した勢いが失速しかねず、今後本格化する与党との政策協議への影響を懸念する声も出ている。
キャプチャ2
不倫報道について語る玉木代表
 玉木氏は11日の記者会見で「(衆院選の躍進で)浮かれた部分があった。大変、冷静さを失った行動だ」と釈明。同日のフジテレビの番組では「私はできの悪い党首なので、優秀な仲間と一緒に政策実現をやり遂げていく」とも語った。
石破首相との党首会談後、記者団の質問に答える国民民主党の玉木代表(中央)(11日午前、国会で)=川口正峰撮影
 10月の衆院選で、国民民主は公示前の7議席の4倍となる28議席を獲得して大幅に議席を増やした。与党が過半数割れする中で政策実現の主導権を握る形となり、「103万円の壁」見直しなどの政策を強気に主張するが、党幹部は「看板政策の信頼性が揺らぎかねない」と漏らす。
 国民民主は、政治不信の受け皿として支持を獲得しただけに、玉木氏の続投には批判が向く可能性があるが、党内から玉木氏の交代を求める声はほとんど出ていない。11日に開かれた両院議員総会では、出席者から「けじめが必要だ」「しっかりと総括してほしい」などと反省を促す声が出たものの、玉木氏の続投が確認された。玉木氏を「一枚看板」として党勢拡大してきた経緯もあり、榛葉幹事長は総会後、「何度も玉木氏に助けられた。玉木なくしてこの党はない」と述べ、引き続き支えていく考えを強調した。
 国民民主の失速は、同党との連携で政権維持を図ろうとする与党にとっても懸念材料だ。自民党の閣僚経験者は、「国民民主が支持を失って連携の枠組みが不安定化したら元も子もない」と語った。