◆首相は政権維持に意欲「政策の実現に向けて最大限努力」
自民の単独過半数割れは、政権交代を許した2009年の衆院選以来15年ぶり。石破茂首相(党総裁)が勝敗ラインとして掲げた与党過半数を下回ったことで、首相ら執行部の責任論が党内で浮上することは避けられない情勢だ。
首相は27日夜、フジテレビ番組で「政治とカネの問題について全く理解をいただけなかったことが一番大きかった」と振り返った。テレビ朝日番組では進退に関し「掲げた政策の実現に向けて最大限努力していかないといけない」と政権継続に意欲を示し、別の番組では与党過半数割れ後の政権運営について「連立か、閣外協力か、いろいろなやり方がある」と述べた。
◆立憲・野田代表は野党連携重視、国民・玉木代表は自公との協力にも含み
立憲民主党の野田佳彦代表は28日未明の記者会見で「自公政権の存続を望まず(通常国会で)内閣不信任案を出した政党とは誠意ある対話をしていきたい」と述べ、他の野党との連携を重視する考えを示した。一方、国民民主党の玉木雄一郎代表は27日のフジテレビ番組で「政策本位で一致できるところはどの党とも協力していく」と話した。
今回の衆院選は、裏金事件に対する自民党の対応が大きな焦点となった。政治資金収支報告書に不記載があった裏金議員で非公認となった12人と、公認されたが比例代表の重複立候補が認められなかった34人、計46人のうち、18人が当選し、28人が落選した。
公明は候補者を擁立した11小選挙区で全勝を目指したが、埼玉14区で石井啓一代表が落選するなど、7選挙区で敗北した。自民で非公認となった2人を含めて大半の裏金議員を推薦し、野党から「共犯」と批判を受けたことも響いた。
◆立憲民主は躍進 国民民主、れいわは議席倍増
日本維新の会は地盤とする大阪を中心に議席を得た。共産党は沖縄1区で議席を確保し、比例でも積み上げた。国民民主党は公示前から3倍超、れいわ新選組は公示前から2倍超となった。社民党は公示前議席を維持。参政党は公示前の1議席を超える議席を確保、日本保守党は愛知1区で議席を得た。
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